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豪ディープテックファンド、約420億円の調達に成功

オーストラリアのベンチャーキャピタル、メイン・シーケンス社は7月26日、第3号ファンドのファーストクローズで4億5000万豪ドル(約420億円)を調達したと発表した。

同社は大学と密接に連携し、ポテンシャルのある研究者や科学者を探し出し、「ベンチャー・サイエンス」投資モデルによってゼロから技術を構築する。テクノロジーを研究段階から現実レベルに成長させることがメイン・シーケンス社のミッションだ。

オーストラリアの国立科学機関CSIRO(英連邦科学産業研究機構) によって設立されたこのベンチャーキャピタルは、LGTクレストン、NGSスーパー、大和証券グループ、グランサム財団を含む新たなパートナーと、ホストプラス、テマセク、オーストラリアン・エシカル・インベストメント、モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントから資金を確保した。第3号ファンドには、オーストラリア政府の経済促進プログラム(Economic Accelerator program)*1が発表した1億5,000万豪ドル(約140億円)の投資のうち、CSIROの半分が含まれる。

今回の出資を含めると、メイン・シーケンス社の運用資産は10億豪ドル(約953億円)を超える。同社は、最終的な目標規模は明らかにしなかったが、今年末までに3つ目のファンドを完成させるとしている。

メイン・シーケンス社のパートナーであるガブリエル・マンザー氏は、インタビューで、第3号ファンドでは約25件のプレシード投資*2 とシリーズB投資*3 を行う予定であると述べた。最低投資額から最高投資額までの具体的な金額こそはっきりとは示せないものの、10万豪ドル(約950万円)からスタートできると付け加えている。

テクノロジー・セクターを活性化させるため、オーストラリア政府は金融優遇措置を導入し、資金調達、製品開発、市場投入においてハイテク新興企業を支援してきた。メイン・シーケンス社はCSIROのOn Accelerator*4 やAustralia's Economic Accelerator などの政府機関や、ニューサウスウェールズ大学のSynBio 10x program*5 のような大学のアクセラレーター・プログラムに関与することで、最先端の技術開発者の発掘を狙う。

脱炭素xディープテック

脱炭素化や人口増加への食料供給といった地球規模の問題に対する解決策を見出すというミッションのもと、新ファンドは脱炭素化とディープテック企業に焦点を当てる。

ソフトバンクによると、ディープテックとは

「科学的な発見や革新的な技術に基づいて、社会にインパクトを与えることができる技術のこと。」企業や研究機関などで長期間にわたり開発されてきた技術「深いところに(ディープ)眠っている技術(テック)」などを指す造語。*6

メイン・シーケンス社のパートナー、マイク・ジマーマン氏は声明の中で、脱炭素化に重点を置く姿勢を示した。環境への影響に対処するために必要な解決策の構築を目指す。同社は、サイバーセキュリティ、量子コンピューティング*7 、先端半導体技術 など、オーストラリアの国益の中核となる技術を開発するディープテック新興企業を引き続き支援していく。ディープテック企業は、あらゆる問題に対する解決策を提供しながら、長期的に強力なリターンをもたらす可能性を秘めている。

53社のディープテック企業に出資

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