独立系シンクタンクRMI(※1)の新たな報告書によると、発展途上国や新興国における再生可能エネルギーの導入は先進国よりも急速に拡大しており、一部の発展途上国は欧米諸国を追い抜いている。*1
報告書(「Powering Up the Global South」)では、グローバル・サウスが北半球よりも早くクリーンテックを導入していることを示す新たな分析を示しており、今後も成長への道筋として導入し続けるであろうことを示している。*2
(※1) RMIは、世界の気温上昇を1.5°C未満に抑制する未来に向けた市場主導型のソリューションを通じて世界のエネルギーシステムを変革し、すべての人々のためにクリーンで豊かなゼロ・カーボンの未来を確保することを目指している。
発展途上国は5年以内に先進国の自然エネルギー導入に追いつける
発展途上国のエネルギー需要の4分の3は、化石燃料の輸入レベル、所得、利用可能な再生可能資源に基づく変化の「スイートスポット」にある。調査によると、ラテンアメリカ、アフリカ、南アジア、東南アジアにまたがるこれらの発展途上経済には、次のような重要な特徴と傾向が見られる。
- 投資の軸:電力投資の87%が、10年前の約半分から2024年にはすでにクリーンテックに流れ込んでいる。
- 再生可能エネルギーの急成長: 太陽光発電と風力発電は過去5年間、年平均23%の割合で増加しており、2030年までに先進国並みの再生可能エネルギー容量を追加する可能性がある。
- コストの転換点: 2023年には太陽光発電とバッテリーのコストが半減し、化石燃料の供給コストを抜きにしても、太陽光発電の初期コストが化石燃料発電と同レベルまで低下する。
- 世界で最も低い化石燃料の埋蔵量と一人当たりの生産量:エネルギー安全保障は、国内の石油・ガス資源を持たない発展途上国の5分の4にとって重要な問題である一方で、世界の再生可能資源の70%は発展途上国にある。
- 化石燃料のピーク: 化石燃料の需要は、発展途上国の3分の1ですでにピークに達している。
その結果、これらの発展途上国や新興国は、先進国全体で進行中のクリーンエネルギー移行に遅れることわずか5年で、太陽光と風力はすでに電力構成の9%を占めている。
先進国を追いにくグローバル・サウス
報告書では、グローバル・サウス諸国はクリーンテックを急速に導入しており、成長への道筋として今後もそうしていくことが予想されている。本報告書のグローバル・サウス諸国とは下記図の水色を指している。
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