2021年、ESG投資信託で+26%リターン
2021年は、ESG投資に益々注目が集まった年となりました。Withコロナの生活が長引き、出口戦略が危ぶまれる中、思い通りに復活出来なかった部分が残る反面、ニューノーマルのあるべき社会の姿を改めて考えさせられました。 著者はESG投資を実践し始めてから来年で10年立ちますが、数年前まではブティークな運用会社ばかりが主に取り組んでいた責任ある投資が、近年では世界の潮流となるほど広がっていると日々感じています。 今年のはじめに「2021年のESG投資予測」のブログで予測したマクロトレンドはそれぞれ強まっていき ...
2022年、ESG投資家のための6つの優先事項
2021年には、ESG投資の普及が大きく加速し、責任投資の哲学と実践が主流となり、成熟してきた。 しかし、持続可能で公正な未来を実現するために、まだ多くの優先事項が残る。 機関投資家に対してESGを重視した投資を長年促進してきた責任投資原則(PRI)のCEOを退任するフィオナ・レイノルズ氏は、2022年に向けて、責任ある投資家が優先すべき6つの重要な事項を指摘した。 1. 社会的課題、すなわち人権問題の重要性 数年前に比べ、COVID-19の大流行によって、社会問題がファイナンスのアジェンダに上り始めたこ ...
ESG経営と財務・投資パフォーマンス、正の相関関係
昨今、ESGを投資基準とした投資信託が増えてきている。しかし、ESGと財務パフォーマンスの関係性について決定的証拠がないという評論家は多数存在する。一方で、多くの分析では、企業のESGパフォーマンスと業務効率、株式パフォーマンス、資本コストの低下との間に正の相関関係があると結論付けている。 ESG経営と財務・投資パフォーマンスとの関係を明らかにするために、ニューヨーク大学スターン・センター・フォー・サステナブル・ビジネスとロックフェラー・アセット・マネジメントが共同で過去5年間で発表されたESGと財務パフ ...
ヘイトスピーチ問題でフェイスブックに17兆円の損害賠償請求
デジタル時代で深刻化するヘートスピーチ問題。グローバル企業の社会的責任が追求されている。 ソーシャルメディア大手のMeta(旧フェイスブック)がプラットフォーム上でのヘイトスピーチを抑制せず、ミャンマーの少数民族に対する暴力を悪化させたとして、ロヒンギャ難民がMetaを1500億ドル(約17兆円)の損害賠償を求めて提訴した。 カリフォルニア州の裁判所に提出された訴状によると、 ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の コンテンツです。 4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員 ...
グリーン・アンモニアへの大きな一歩?豪研究チームの画期的発明
オーストラリアの研究チームは、再生可能エネルギーを利用してアンモニアを製造する新しい技術を発明したと発表した。この技術は、従来の化石燃料を利用したアンモニア製造を完全に置き換える可能性があるという。 メルボルンのモナッシュ大学の研究チームによって発見された技術の詳細は、世界的な権威のある科学誌「サイエンス」に掲載された。 この画期的な技術は、 ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の コンテンツです。 4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細について ...
LDESが世界を救う?再エネ支える「長期エネルギー貯蔵技術」
1. はじめに 現在、日本の2030年度の温室効果ガス削減目標を「2013年度から46%削減し、さらに50%の高みに向け挑戦を続けていく」という「脱炭素社会」の実現に向けて、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの発電量を2030年までに約二倍に増加させる必要があるとされる。しかし再エネの最大の欠点である「不安定性」を乗り越えなければならない。そこで再エネの主力電源化を支える欠かせない技術として「長期エネルギー貯蔵技術:Long-duration Energy Storage(LDES)」の導入が ...
ドイツ:2030年までに石炭ゼロ、再エネ80%、1500万台のEV導入
中道左派、緑の党、経済活動重視の政党によるドイツの次期連立政権は、気候変動政策を大幅に強化し、石炭火力発電の廃止を2038年から2030年に前倒しすることや、再生可能エネルギーの導入を急速に加速させることなどを盛り込んだ新連立条約に合意した。 社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の3党による、いわゆる「信号機連合」が作成したこの条約は、パリ協定で定められた地球温暖化を1.5℃に抑える目標と整合性のある排出削減の道を歩むという、各党の重要な気候変動対策の約束を実現することを目的としている。 ド ...
日本の自動車メーカー、 ゼロエミッション車へシフトできるか?
2035年までに主要市場でゼロエミッション車のみを販売するという国連の気候変動会議COP26で発表されたゼロ・エミッション車声明に、欧米中の自動車メーカーは出揃ったが、日本勢の自動車メーカーは署名しなかった。 モビリティの脱炭素化を進めるためにゼロエミッション車への移行を加速させるように設計された同声明には、33か国政府や各国の州、地域、都市に加え、11社の自動車メーカー、大口投資家など多様なステークホルダーが署名した。 署名に踏み切った11の自動車メーカーの中には米国大手のフォードやジェネラルモーターズ ...
COP26特集: 排出量取引ルールで合意
国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において、5年以上にわたる集中的な交渉の結果、世界各国の政府はパリ協定第6条に基づく排出量取引市場の基本ルールを決定した。今回の基本ルールに基づき、他国の排出削減量を示すカーボン・クレジットを購入することで、購入した国が自国の排出量から差し引き、温室効果ガス削減目標を部分的に達成できるようになる。具体的には他国での森林の保護や再生可能エネルギー施設の建設などに貢献することでカーボンクレジット(排出量削減量の証明書)を創出することが可能となり、その排出削減 ...
140カ国がネットゼロ約束、問われる具体策
Climate Action Tracker (CAT)が発表した最新の研究によると、気候変動対策を話し合う国際会議(COP26)で各国政府が発表した温室効果ガス削減目標がすべて達成されても、世界の平均気温の上昇は今世紀末までに2.4℃を超えるという。これは、世界の気温上昇を産業革命前から1.5℃以内に抑えるというパリ協定の努力目標をはるかに超えてしまう。CATは、多くの国は温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという長期目標を宣言しているが、短期的目標の「信頼性、実行性、コミットメントの面で大きなギャップが ...