2030年までに地球の30%を自然環境保全地域に
カナダ・モントリオールで12月19日に閉幕した国連の生物多様性に関する会議(COP15)で、2030 年までに生物多様性の損失を阻止・回復するための新しい国際協定「昆明・モントリオール生物多様性国際枠組み(Global Biodiversity Framework - GBF)」が国連生物多様性条約の下で196カ国によって採択された。 GBFは、生物多様性の損失への対処、生態系の回復、先住民の権利の保護を目指している。2030年までに地球の30%と劣化した生態系の30%を保護下に置くなど、自然の ...
プラスチックの代替素材に注目集まる
EUのプラスチックへの規制強化 EUのプラスチック規制強化を受け、一定比率の再生プラスチックを含む製品や生分解性プラスチックの製品が義務付けられる。さらにEU域内では循環的にプラスチックを利用するためのインフラが整備され、日本企業は日本の技術や製品が市場から締め出されることに危機感を覚えている。今、国際ルールを反映した新規の製品・技術開発が早急に必要とされている。 日本でプラスチック循環利用に向けた取り組み:CLOMA 国際的なプラスチック製品に対する規制強化を受け、国内ではCLOMA(クリーンオーシャン ...
ESG企業トップ100社、日本勢7社ランクイン
サステナビリティ・データプロバイダーであるESG Bookは、12月1日、ESG(環境・社会・ガバナンス)の分野で世界をリードする企業を選出し、「ESG企業ランキングトップ100」を発表した。 近年、ESG投資が急速に拡大している中、企業の非財務情報がより入手しやすくなってきた一方で、投資家は、より持続可能な企業に向けて効率的に資金を配分するために、より明確なESG情報を必要としている。 ESG Bookの無料データプラットフォームは、約1万銘柄の情報開示へのアクセスを提供し、すべての市場関係者がサステナ ...
EU、2030年までにすべての包装材をリサイクル可能にする
欧州委員会が11月30日に発表した新しい規則案によると、EU市場で流通しているすべての包装材は、2030年までに完全にリサイクル可能であることが求められることになる。 欧州グリーン・ディール担当のフランズ・ティマーマンス執行副委員長は、新規則を紹介する声明の中で、この提案は、「包装廃棄物を減らし、再利用と詰め替えを促進し、再生プラスチックの使用を増やし、包装のリサイクルをより容易にする 」と述べている。 欧州委員会によると、対策を講じなければ、欧州ですでに1人当たり年間180kg近くに達している ...
COP27の成果: 損失・損害の基金設立へ
国連気候変動会議COP27は11月20日に気候災害で大きな打撃を受けた脆弱な国々に損失と損害のコストを支払うため資金を提供するという画期的な合意に達した。また、気候変動の悪影響に特に脆弱な途上国への技術支援を促進するため、サンチアゴネットワークを運用するための制度的取り決めについて合意が実現された。その内容と今後の影響について説明する。 損失・損害基金への険しい道のり これまで気候変動の影響を受ける国々に対し先進国などは炭素削減や気温上昇への適応を支援するための資金を提供してきた一方、援助を受ける当該国は ...
国連専門家グループ、ネットゼロ・ウォッシュへの対策を提言
国連事務総長直下に設立された専門家グループは、企業やその他非国家主体が発表するネットゼロ誓約について、明確な基準を策定し、グリーンウォッシュを避けることを目的とした一連の勧告を報告書として発表した。 パリ協定の発効に伴い、多数の企業、国家、都市がネットゼロ誓約を掲げてきたが、現在ネットゼロは一つの変曲点を迎えている。ネットゼロ誓約を掲げたにも関わらず、具体的な行動が実行されない例。 ネットゼロ目標を過小評価したり、独自解釈を行ったりする例。肯定的な報道による自社利益獲得を目的に、達成する予定がないにも関わ ...
COP27特集: 気候変動における「損失と損害」とは?
エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されている国連気候変動会議COP27(第27回国連気候変動枠組条約締約国会議)では、気候変動における被害に苦しむ途上国を含んだアフリカ大陸での開催につれ、気候危機における「損失と損害」についての議論が注目されている。 初の議題『Loss and Damage(損失と損害)』 今回初めて会議の正式アジェンダの中に『Loss and Damage(損失と損害)』が取り上げられた。 今年初めに開催されたドイツ・ボンの会議でパキスタンによって提案され、正式に採用された。パキ ...
海運の脱炭素に向けて「Green Shipping Challenge」COP27にて発表
海運業界は全世界の二酸化炭素排出量の3 %を占め、その排出量は増加している。そのため、業界全体での二酸化炭素排出量の削減が求められている。今回、国連気候変動会議COP27において、アメリカとノルウェー政府が中心となり、海運業界全体として二酸化炭素排出量の削減に取り組むことを目的とする「Green Shipping Challenge」の発表が行われた。これは国家や企業など海運のバリューチェーンに携わる関係者らに対し、港湾と海上の両方において、二酸化炭素排出量を削減する具体的な施策を発表することを求めるもの ...
COP27開幕:重要な論点
国連気候変動会議COP27は、11月6日(日)にエジプトのシャルムエルシェイクで正式に開幕し、気候変動に関する国連枠組条約(UNFCCC)が採択されてから30年、2015年のCOP21でパリ協定が合意されてから7年の節目となった。 毎年開催される「締約国会議」または「COP」には、UNFCCC、京都議定書、またはパリ協定に署名した190以上の政府が集まり、今年のCOPは、2021年にスコットランドのグラスゴーでイギリスとイタリアが共同開催したCOP26に続くイベントとなる。 昨年のCOP26では、メタンの ...
次世代環境住宅「ZEH+」や「LCCM住宅」の普及に期待
公益財団法人 地球環境戦略研究機関 IGESが出した「1.5度ライフスタイル」レポートには、私たちの生活におけるカーボンフットプリントは、「食」「住居」「移動」「その他の消費財レジャー・サービス」のうち「住居」が最も割合が高いと示されている。 住居の中でも特に環境負荷が大きいのは「エネルギー消費」なのだが、ここに対応するさまざまな住宅が出てきているのをご存知だろうか? それは、省エネ性能の向上や太陽光パネルの設置などによって住居におけるCO2排出量を大きく減らしたり、マイナスにすることを可能にした「ZEH ...