Climate Action Tracker (CAT)が発表した最新の研究によると、気候変動対策を話し合う国際会議(COP26)で各国政府が発表した温室効果ガス削減目標がすべて達成されても、世界の平均気温の上昇は今世紀末までに2.4℃を超えるという。これは、世界の気温上昇を産業革命前から1.5℃以内に抑えるというパリ協定の努力目標をはるかに超えてしまう。CATは、多くの国は温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという長期目標を宣言しているが、短期的目標の「信頼性、実行性、コミットメントの面で大きなギャップがある」という。
CATのレポートでは、 COP26の開催前および開催中に各国政府が行った約束を検証した。その結果、2030年時点で、温室効果ガスの排出量は、気温上昇を1.5度以下に抑えるために必要な量の2倍に達すると結論づけた。研究者は温暖化を1.5度に抑えることで、気候変動の最も危険な影響を未然に防ぐことができるとしている。
温室効果ガス排出量第1位の中国と第2位の米国に続き第3位のインドが新たに温室効果ガス排出量実質ゼロ(ネット・ゼロ)を約束したことで、気温上昇の予測が若干改善されたとされている。現在、140カ国以上の政府がネット・ゼロの達成を約束しており、世界の排出量の約90%をカバーしている。しかし、CATによると、この目標を達成するための計画を立てているのはほんの一握りだという。40カ国の政策を分析した結果、
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