NYC年金基金:化石燃料株 40億ドル分投資撤退
ニューヨーク市の年金基金は、気候危機回避に向けて約40億ドル(約4000億円)相当の化石燃料関連会社株を売却することを決定した。 ニューヨーク市は、昨年9月にポートフォリオの脱炭素化を表明している。今回の売却に票を投じたのは、市の教師、労働者を代表する2つの年金ファンドで運用資産は合わせて1680億ドル(約17兆円)に相当する。合計で630億ドル(約6.6兆円)相当の警察や消防士の年金ファンドは、賛成票を投じていない。声明によると、80億ドル(約8.3億円)規模の他のファンドもまもなく売却に賛成票を投じる ...
EU: 2020年、再生可能エネルギーの発電量が化石燃料を上回る。
シンクタンクの独アゴラ・エナギーヴェンデと英エンバーは2021年1月25日、欧州の電力移行を追跡した報告書を共同で発表した。報告書によると、2020年には再生可能エネルギーが化石燃料を抜いて、初めてEUの主要な電力源となることが明らかになった。 (出処:エンバー) 具体的には、2020年におけるEU27ヵ国全体の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は38%(2019年は34.6%)に増加し、37%に減少した化石燃料による発電を初めて追い抜いたのだ。 国別では、ドイツとスペインと英国も初めて再エネ ...
バイデン政権:4月22日アースデイに気候変動サミット開催
バイデン政権は、4月22日のアースデイ(地球の日)に世界の指導者たちを気候変動サミットで迎える予定だ。就任後100日以内に気候変動問題の解決に向けて世界の指導者たちの大集会を開催するという選挙前の公約に沿ったものだ。 これは、パリ協定への復帰だけでなく、国際舞台での気候変動に対する行動を強化するという新大統領の決意の表れでもある。 米国が主催する4月22日の会議は、昨年12月に開催された国連の「気候野心サミット」に似たバーチャルなものになる可能性がある。国内ではコロナウイルス対策が最優先課題であり、議会の ...
大手保険会社アリアンツ:ネットゼロ投資への中間目標設定
ドイツの世界大手保険会社アリアンツは2050年までに投資先企業の温室効果ガス排出量実質ゼロ達成に向けて、保険ポートフォリオの特定資産クラスに関する中期気候変動目標を初めて設定した。2025年までに、契約者ファンドのポートフォリオに含まれる温室効果ガス排出量を2019年比で25%削減を目指す。 従来の投資基準に加え、パリ協定で掲げられた世界平均気温上昇を1.5度に抑える目標に適合するか、すべての株式および社債が見直されることになる。さらに、2025年までに投資対象の不動産による温暖化ガス排出量の経路は、科学 ...
ブラックロック : 2021年から気候変動対策を審査する企業数を倍増
世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、今年から気候変動対策を審査する企業数を倍増させると発表した。対象企業数は昨年の440 社から1,000社となる。 昨年、ブラックロックは気候変動対策が乏しいと判断した調査対象となった 440 社の投資先企業のうち、取締役55 名の選任議案などに対して反対票を投じた。さらに今年は、投資先企業の気候変動対応が優れない場合、更に191名の役員に反対票を投じる準備をしているとする。 ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の コンテンツです。 4つの特典が ...
米財務長官:気候変動リスク対応チーム設立ヘ
20日、ジョー・バイデン氏が第46代アメリカ合衆国大統領に就任した。バイデン政権の中核的な政策目標は気候変動対策の強化だ。その主役となる一人として、ジャネット・イエレン次期財務長官が挙げられる。元米中央銀行(FRB)議長のイエレン氏は気候変動に焦点を当てたチームの創設を発表。バイデン政権は経済政策の中心に気候変動対策を据えることを掲げたが、この発表は政権側の議員や支持者が財務省で優勢になったことを意味する。 ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の コンテンツです。 4つの特典が受けられる「 ...
ロベコ:エンゲージメントテーマに「気候変動」「労働環境」
オランダの資産運用会社であるロベコは、毎年約5つのテーマを選び、直面するESGリスクや機会について投資先企業との対話を実施している。年間エンゲージメントテーマは投資家集団や顧客との協議を経て採択される。 今年は気候変動と労働環境が主なテーマとなった。 化石燃料関連は投資対象外 融資銀行と対話開始 ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の コンテンツです。 4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細についてはこちらをご覧ください。 「ThinkESG プ ...
日本企業92社:2030年度再エネ電力目標を40~50%に
気候変動イニシアチブ(JCI)に参加する企業が、今年設定される次期エネルギー基本計画のうち、2030年度の再生可能エネルギー電力目標の40~50%への引き上げを国に求める声明を発表した。声明に参加する企業は92社にのぼり、環境関連の国際イニシアチブのRE100、SBT、CDP、TCFDなどに取り組む企業が大半を占める。電機(東芝・ソニー・パナソニックなど)、IT(NEC)、自動車(日産自動車)、物流(日本郵船など)、小売(イオン・マルイなど)、食品(アサヒ・キリン・サントリーなど)、住宅・建設(戸田建設・ ...
チャールズ皇太子:「地球憲章」を発表
チャールズ皇太子はマグナ・カルタに着想を得たサステナブルな社会・経済の再構築を促す「地球憲章(Terra Carta)」を発表した。これは、2030年までに世界経済の持続可能性を高める、民間企業に向けた約100の行動指針から構成される。 地球憲章には気候変動や生物多様性などに関する国際合意の支持や、2050年を目処とする地球環境改善、脱炭素社会実現に向けた経済システムの整備などが盛り込まれる。 さらに、新設立された「自然資本投資同盟」によって2022年までに70億ポンド(約1兆円)を調達、自然資本への投資 ...
EU:2035年までにゼロエミッション航空機へ
20年12月9日、欧州委員会は2035年までに市場に出回る航空機をゼロ・エミッション航空機へ、2030年までに500km未満の距離を走行する交通機関を脱炭素化することを「持続可能スマートモビリティ戦略(Sustainable and Smart Mobility Strategy)」の中で掲げた。これは2050年までにEU輸送部門のCO2排出量90%減を目的とする。 航空・水上輸送は、他の輸送手段よりも脱炭素化の課題が大きい。鉄道や近海輸送など他の交通機関の利用を促すほか、再生可能で低炭素の液体・気体燃料 ...