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ノルウェー政府年金基金:投資先企業に女性役員比率30%を求める

ノルウェー政府系年金ファンドを運営するノルウェー銀行インベストメント・マネジメント(NBIM)は取締役会の多様性を高めるよう投資先企業に求めることを発表。

取締役会は適切なジェンダーバランスを担保するべきだとした上で、どちらかの性別が30%未満の理事会において性別多様性の目標設定や進捗状況の報告の検討を推奨している。さらに、こうした取締役会は厳格な指名プロセスを踏んでいない、もしくは候補者の対象が限定されたグループにしか適用されていない可能性があると指摘している。

取締役会における多様性は意思決定を向上させるという研究結果が発表されている。幅広い経歴や能力を持つ役員から構成されることで、より多くの情報に基づいた議論を行うことができ、結果的に意思決定プロセスの質を向上させることになるからだ。

さらに、社会全体の構成が反映された取締役会は、より幅広いステークホルダーの間で、より大きな正統性を享受することができます。取締役会のジェンダーバランスは、企業内のジェンダーバランスの改善にも貢献する可能性がある。女性の存在感の低さが続くと、企業の信頼や市場のより広範な正統性が損なわれる可能性がある。

一方で、懸念点も残る。取締役会での多様性が企業業績を向上させたという学術研究は厳密には確立されていない。性別やその他の多様性要件を導入する明確な財務的正当性がないため、株主の利益にならない可能性がある。さらに、指名機関はすでに、スキル、専門知識、独立性、可用性などの条件があり、多様性を実現する要素との両立性が疑問視されている。

とはいえ、政府系銀行がジェンダーバランスの改善を主導することは評価されるべきだろう。

日本政府は第4次男女共同参画基本計画を2015年12月に閣議決定し、上場企業の女性役員の割合を「2020年までに10%を目指す」目標を掲げた。しかし、女性の役員登用は6.0%にとどまっている。2020年3月期決算の上場企業の女性役員比率10%以上は612社(構成比27.3%)と、3割に届かない。女性役員数ゼロの上場企業も51.4%と半数に及び、政府目標10%達成へのギャップが残る※。このままでは、多くの日本企業は取締役会における多様性に関して欧米の機関投資家による圧力を受けるだろう。

日本でもSDGsへの貢献を掲げる多くの企業を始め、ジェンダー平等の促進に向けたさらなる行動を促すよう、官民による主体的な取り組みを期待したい。


参考リンク:

Norges Bank:Mangfold i styret

※東京商工リサーチ:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200811_02.html

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