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G7の主要株価指数、温暖化2.95℃をもたらす影響を推定

SBTi(Science Based Targetsイニシアチブ)の最新の調査報告書によると、G7の主要株価指数に採用されている企業の現在から将来にかけての温室効果ガス排出量の予測値に基づいて、将来平均的に2.95℃の温暖化をもたらす可能性があると試算されている。7つの指数のうち4つのインデックスは、3℃以上の危険な温度上昇をもたらすパスウェイにあるという。調査対象の一つとなった日本の日経平均株価(日経225)の構成銘柄は既存の温暖化対策では産業革命前の平均気温に比べて3度Cの気温上昇をもたらしてしまうだろうと推定される。インデックス型投信を中心にパッシブ運用をされる投資家に対しては、気候変動リスクの警報だ。

企業が野心的な排出削減目標を設定することを可能にするイニシアチブであるSBTi(Science Based Targets initiative)が認定した科学的根拠に基づく温暖化ガス削減目標を設定した企業の割合が高い株式指数は、総合的な「温暖化ポテンシャル」が低くなる。ドイツのDAX30指数の組み入れ企業の50%がSBT目標を設定しており、それらの企業の将来における企業活動に応じた気温上昇値の算出は最も低い2.2℃となっている一方で、カナダのSPTSX60指数の1割の企業しかSBTを設定しておらず、対象指数の中最も高い温暖化ポテンシャルの3.1℃となっている。日系225の場合、SBTを設定している企業は指数の構成銘柄225社の内28%に上るが、それらの企業の総排出量は指数全体の12%にとどまり、温暖化ポテンシャルは比較的高い3℃と算出されている。

図-G7主要国株価指数の温暖化ポテンシャルと、科学的根拠に基づく温暖化ガス削減目標(SBT)を設定している指数構成銘柄の排出量の割合。

(出典: SBTi)

つまりSBTiの新たな調査によると、G7の主要株価指数のうち、現在、パリ協定が目標値とする1.5℃または2℃未満の温暖化シナリオに整合するものはないことが明らかだ。そんな中、日本を含むG7主要国の最大の上場企業に対し、気候変動対策を早急に強化するよう期待が高まる。

G7諸国の主要株式指数は、その国の最大の取引所に上場している最も重要な企業の株式で構成されており、市場動向を把握するための重要なベンチマークとなっている。注目すべき点は、化石燃料関連企業が7つの指数すべての排出量に大きく寄与していることで、カナダのSPTSX 60の 3.1℃の温度評価の70%、イタリアのFTSE MIB 2.7℃の評価のほぼ50%を占めているという。

国連グローバル・コンパクトのプログラム・チーフであり、SBTiの理事長を務めるライラ・カルバシは、次のように述べた。「G7企業は、世界経済全体にポジティブな変化をもたらす "ドミノ効果 "を引き起こす可能性があります。本報告書は、市場と投資家がパリ協定の目標を達成することが緊急に必要であることを強調しています。政府は、科学的根拠に基づく野心的な目標設定を促すために、さらに努力しなければなりません」。

1.5目標に整合する投資行動とは?

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