デロイト調査、企業の78%がサステナビリティ投資を拡大
デロイトが29か国の経営幹部2,150人超を対象に行った調査で、78%が過去1年にサステナビリティへの投資を5%超増やしたと回答した。77%は、その投資利益率(ROI)が他の投資より高いと評価する。一方、1社あたりの取り組み数は5.0件から3.4件に減った。企業は財務的価値を重視して取り組みを絞り込んでいる。 78%がサステナ投資拡大 世界4大会計事務所(BIG4)の一員であるデロイトが公表した新たな調査によると、大多数の企業が過去1年もサステナビリティの取り組みへの投資を増やし続けた。*1 投資は以前よ ...
パリ協定の1.5℃目標、超過が避けられない段階に
国連環境計画(UNEP)は「排出ギャップ報告書2026」で、産業革命前からの気温上昇を超過なしで1.5℃未満に抑える目標を達成する機会は失われたと指摘した。気温上昇を2℃未満にとどめ、今世紀末までに1.5℃へ戻すことが残された唯一の選択肢だとし、2040年までに温室効果ガス排出を2025年比で69%減らす道筋と、大規模なCO2除去の必要性を示した。 1.5℃の超過を前提にした新たな目標 2015年に採択されたパリ協定が掲げた、地球温暖化を1.5℃に抑えるという目標は、わずか10年で達成できないものになった ...
企業のネイチャー・ポジテイブを支える2つの枠組み
2026年10月13日、国連生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)に先立ち、企業の事業活動に伴う生物多様性や自然資本への影響を評価し、対応策を構築するため2つの国際的な枠組みが同時に公表された。 ネイチャーポジティブ・イニシアチブ(NPI)は自然の状態を測る共通の4指標を発表し、科学的根拠に基づいて自然関連目標設定を推進する国際ネットワーク(SBTN)は企業向けの「自然に関する科学に基づく目標2.0」を公表した。これらの指標は、2030年までに自然の損失を食い止め、逆転させ、50年までに回復させる ...
EUグリーンウォッシュ規制「EmpCo」始動
2026年9月27日、EUで「グリーン・トランジションのための消費者エンパワメント指令(EmpCo)」の適用が始まった。カーボンクレジットの購入で埋め合わせただけの製品を「カーボンニュートラル」とうたう広告は、EUの新ルールで禁止された。世界で相次ぐグリーンウォッシュ訴訟と、企業を見極める評価軸から、投資家が押さえるべき情報開示の論点を読み解く。 グリーンウォッシュが問題視される背景 「環境にやさしい」「カーボンニュートラル」。こうした言葉は、いまや多くの商品の広告やパッケージに並ぶ。だが、その中身は本当 ...
大手銀のエネルギー貸出、MUFGら化石燃料へ回帰
ブルームバーグNEF(BNEF)によると、世界の大手銀行が2025年に取り組んだエネルギー供給向けの投融資は、化石燃料向け1米ドルに対して低炭素エネルギー向けが0.97米ドルだった。低炭素エネルギー向けの資金供給額は過去5年で最高の1兆1,500億米ドル(約181兆円)に伸びたが、化石燃料向けも増えた。世界的な気候変動目標達成に必要とされる「エネルギー供給バンキング比率(ESBR)」(低炭素エネルギーと化石燃料向けの資金供給比率)の平均4対1にはなお遠い。 エネルギー供給バンキング比率(ESBR)の推移 ...
クライメート・ウイークNYC、再エネ3倍と電化の加速を訴える
2026年9月21日、ニューヨークで開催中のクライメート・ウィークNYCで、各国の政府首脳や企業のCEOら20人を超えるリーダーがクリーンな電化の加速と2030年までの再生可能エネルギー設備容量の3倍化を、企業と政府の戦略の柱に据えるべきだと訴えた。COP31議長国は2035年の電化率35%を掲げる。 再エネ3倍と電化を戦略の柱に 各国の政府首脳、企業のCEO、市民社会のリーダーらが、クライメート・ウィークNYC(Climate Week NYC)2026の場で次のように訴えた。クリーンな電化の加速と、2 ...
IEA特別報告書、世界の電化率目標が射程に
国際エネルギー機関(IEA)は2026年9月22日、世界の電化に関する特別報告書を公表した。現在利用可能な技術と、現在の供給ショックが発生する前の水準のエネルギー価格を前提とした場合、2035年までに世界の最終エネルギー消費量の33%を、コスト効率良く電力で賄うことが可能になると結論づけている。これは現在の約23%から大幅に増加する予測だ。ホルムズ海峡のエネルギー危機を背景にエネルギー価格が現在の水準で推移すれば、世界のエネルギー消費のうち、さらに多くの部分を電化することが費用対効果の面で有利になるだろう ...
サステナブル投資10年で17兆ドル、成果は大きく分岐
ベイン・アンド・カンパニーは「CEO サステナビリティ・ガイド2026」で、サステナブル投資が「分岐の時代」に入ったとする論考を公表した。この結論は世界経済フォーラムが最近公開したグローバルCSO調査でも同様な見解が示されているトレンドだ。ベインの分析によると、過去10年のサステナブル投資の総額約17兆米ドルの内9割近くが再生可能エネルギー・建築物・モビリティに集中し、収益も排出削減の成果も大きく分かれた。不確実性が高まる情勢の中、CEOに求められるのは確実性ではなく確信だという。*1 「サステナビリティ ...
WEFのCSO調査、「グリーン分岐」の時代に突入
世界経済フォーラム(WEF)は2026年9月15日、最高サステナビリティ責任者(CSO)のグローバルネットワークの103人への調査をまとめた初の報告書を公表した。6割超がサステナビリティの世界的な前進が今後1年維持か加速と見る一方、政策の反転と短期の業績圧力が最大の制約に挙がり、脱炭素社会への移行は「グリーン分岐」の局面に入ったと位置づけた。AIと気候変動への適応の扱いも焦点となった。*1 103人の回答が映す「実行の局面」 WEFの報告書「Chief Sustainability Officers' O ...
ネパール 洪水の損失・損害と気候正義の論点
2026年8月、ネパールのヒマラヤで氷と岩盤が崩れた。鉄砲水が1,300人を超える命を奪った。ネパールの外相は主要排出国を名指し、援助から正義と補償へと訴えた。だが、危険な場所に築かれたインフラが被害を広げたとの指摘もある。ネパールでは、気候変動の責任と開発の責任が重なる。この災害から、損失・損害基金の現実と気候正義とのギャップを読み解く。 ヒマラヤの崩落が引き起こした大洪水 2026年8月26日午前8時40分、ネパール北部ラスワ郡の上流域で、氷と岩盤が一体となって崩れ落ちた。ICIMODの専門家によると ...









