世界大手企業25社のネットゼロ目標はグリーンウォッシュ?
世界各国で脱炭素化に向けた取り組みが進む中、CO2排出を差し引きゼロとする「ネットゼロ」を目標に掲げる企業が増えている。そんな中、ドイツのシンクタンクNewClimate Instituteとブリュッセルに本部を置く非営利団体Carbon Market Watchの新たな分析によると、「カーボンニュートラル」または「ネットゼロ」を目標に掲げる世界の大企業25社のうち、実際の取り組みはネットゼロの目標達成に遠く及ばない企業が大半を占めると発表した。 報告書は、「企業の気候変動責任モニター(CCRM)」と名 ...
ドイツ新首相が推し進める「気候クラブ」構想
現在、世界的に気候変動に対する迅速な対策が進められている。中でも、先進国は大きな影響力を持っていることからより積極的な対応が求められる。 そんな中、先日ドイツは、世界の先進国間の新しい気候同盟の計画を発表し、国際的な気候変動対策に変化をもたらすことを約束した。2022年、ドイツはG7の議長国であり、裕福な民主主義諸国が地球規模の課題の解決策を議論する重要な役割を担っている。(G7は、ドイツのほか、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、日本、カナダで構成されている。) 昨年12月に長年の指導者であった ...
レシートにCO2排出量表示、消費者行動に変化
ノルウェーのあるオンライン食料品店では、買い物かごに入れた商品がどれだけ環境に配慮しているかを示すレシートを導入して以来、二酸化炭素排出量の多い商品の販売数が減少している。 オンラインショップOdaによると、レシートのおかげで顧客が二酸化炭素排出量の多さを認識したため、赤身肉やその他の持続可能性の低い商品の注文が減少したとのことだ。 また、オンライン食料品店では、不必要な消費を減らすために、持続可能性の低い商品の複数購入特典を避け、ビニール袋の代わりに再利用可能な段ボール箱を使って配達している。 Odaの ...
エネルギートランジション投資動向、21年に総額87兆円強
ブルームバーグ ニューエナジーファイナンス(以下BNEF)によると、2021年のエネルギートランジションに向けた世界の投資総額は7550億ドル(約87兆円)に達し、新記録を樹立したという。 BNEFの「エネルギートランジション投資動向報告書2022」によると、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、電化輸送、電化熱、原子力、水素、持続可能材料など、報告書の対象となるほぼすべての分野で投資が増加したことが公表された。 「エネルギートランジション投資動向報告書」は、企業、金融機関、政府、消費者が低炭素エネルギーへ ...
軍政による人権侵害で、石油大手2社がミャンマーから撤退
世界最大級のエネルギー企業であるトタル・エナジー(以下トータル)とシェブロンは、2021年2月にミャンマー軍が選挙で選ばれた政府を打倒して以来、人権侵害が横行し、法の支配が悪化しているとして、ミャンマーでのすべての事業を停止すると発表した。 この発表は、フランス企業が、軍事政権の主要な資金源の一つである石油・ガス部門を標的とした国際的な制裁を求めたわずか1日後に行われた。また、AP通信が両社に対する石油・ガス制裁の要求が高まっていること、米国とフランスの抵抗について報じた1カ月後のことである。 トタルとシ ...
持続可能な企業トップ100、日本勢3社ランクイン
カナダの金融情報誌「コーポレート・ナイツ」は、世界で最も持続可能な企業100社(Global 100) をまとめた報告書の2022年版を発表した。 「Global 100」とは、世界のあらゆる業界の大企業(2022年は6,914社)を対象に、環境・社会・ガバナンス(ESG)などの観点から持続可能性を評価し、上位100社を選出しているものである。 例年、「Global 100」はスイスのダボスで開催される世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の中で発表されているが、本年はコーポレートナイ ...
2022年を見据えたESGテーマ3選~③生物多様性~
はじめに 現在、自然環境の悪化に伴い、生物の多様性が、これまでにない早さで刻一刻と失われつつある。これは、私たち自身が、人類を含めた多くの生命にとって欠かすことの出来ない命の土台である生物多様性を自ら壊していることに他ならない。人為的な動物の移動による外来生物の生態系への影響や、森林伐採などで動物たちの住居を奪うという事態も頻発している。 そんな中、海外では政府や企業が生物多様性を考慮した取り組みが徐々に進んできている。本ブログでは、欧州における政府、投資家や企業の取り組みや、生物多様性の世界的保護を話 ...
デンマーク: グリーンウォッシュは違法行為に。第三者評価、LCA義務付けも
企業が自社の製品やブランドをグリーン、サステイナブルと呼ぶための条件が大きく変わる。デンマークの消費者オンブズマンは最近、企業がグリーン・クレームを裏付けるためにライフサイクル分析(LCA)のような科学的な文書が必要になると新たなルールを定めた。製品を売るためにグリーン用語を悪用すると、100万ドルの罰金につながる可能性があると警告している。 つまり、デンマークで製品を販売する場合、ライフサイクルアセスメントなしに「グリーン」または「カーボンニュートラル」と呼ぶことはできない、というものである。 日本企業 ...
世界のトップリスク、1位は「気候変動対策の失敗」
昨年11月にグラスゴーで開催された国連気候変動会議COP26をはじめ、気候危機に対する政府や企業の取り組みが加速してきている。そんな中、世界経済フォーラム(WEF)が、2022年グローバルリスク報告書を公開した。報告書には、今後10年間の世界の重大リスク・トップ3に「気候変動対策の失敗」「異常気象」「生物多様性損失」が選出された。今回のESGニュースでは、報告書作成の経緯と、気候変動対策の失敗を防ぐために取るべき政策をまとめる。環境問題以外にも、「生活危機」、「社会的分断」、パンデミックの回復にばらつきが ...
使い捨てプラ製造企業への投資を見直すべき理由
現在、脱プラスチックへの取り組みを政府や企業が進めてはいるものの、新型コロナウイルスのパンデミックでプラスチック製品の消費が増えている傾向にある。特に、フェイスシールドや手袋、食品のテイクアウト用容器、オンラインショッピングで注文された商品の配送用緩衝材などの需要が増えているが、こうした使い捨てプラスチック製品の多くはリサイクルできず、廃棄物が急増しており問題となっている。 そんな中、非営利の金融シンクタンクであるプラネット・トラッカーが、世界の使い捨てプラスチックの半分以上(58%)が上場企業30社によ ...