国連のグテレス事務総長は、世界のジェンダーの取り組みは遅れており、コロナでますます悪化していると話す。
男女のジェンダー格差は貧困や教育格差などの問題にも大きく影響することから、それらに対する取り組みはSDGsやESGにおいてもますます重要度が高まりつつある。
ジェンダーの意味を改めておさらいすると「社会的・文化的に後付けされた性差」と説明されている。つまり、生物学的な性差とは別に、社会や文化によって定義されている性のことを指す。
ジェンダー問題に取り組むには、バイアスを与え続けている社会や文化的要因にアプローチする必要がある。
例えば経済においては、評価制度や賃金、管理職割合などにおける男女格差がある。こういったものを改善することによって、様々な組織改善につながると言われている。
エネルギー分野のジェンダーギャップと賃金格差
では、SDGsの達成や脱炭素社会の実現に向けて大きな割合を占めるエネルギー分野におけるジェンダーギャップは、どのような状況だろうか?
国際エネルギー機関(IEA)がまとめた雇用と賃金、上級管理職、起業家精神、イノベーションにおけるエネルギー部門の男女格差に関するデータ(対象29 カ国)によると、エネルギー部門で働く女性は男性より平均 76%少ない現状にある。また、男女の平均賃金においても女性は約15%と、残念ながら低い状況だ。
女性管理職の割合が成功につながる鍵
また、IEAのデータによると世界的にエネルギー分野の上場企業の上級管理職に占める女性の割合は 15%と報告されている。男女格差はサブセクターによって大きく異なり、原子力セクターの 9% から電力網のインフラとサービスに関連する企業の 20% まで幅がある。地域別でも差があり、日本では上級管理職に占める女性の割合はわずか6%に留まっている。
女性管理職割合 各国比較
企業の指導的地位におけるジェンダーの多様性が高まると、どんな良いことがあるのか。
企業は多様な視点と革新的な意思決定を活用できるようになり、業績の全体的な成功にも寄与すると言われている。バンク・オブ・アメリカの調査によると、
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