ESG評価機関Sustainalyticsは独自のESGリスク評価基準に基づき、14,000を越える企業や組織のESGランキングを発表した。ホームページには世界トップ50社や、各産業界や各地域で高評価を得た企業が好評され、同社から公式バッジが付与され、資本調達活動、マーケティングや広報目的に使用することが許可されている。
SustainalyticsによるESGリスク評価
米国モーニングスターグループの傘下にあるサステイナリティクスは、25年以上にわたり、世界中の投資家による責任投資戦略の開発と実践をサポートしてきたESG調査・レーティング・データ提供を行なっている。
ESGリスク評価は機関投資家(資産運用会社、年金・保険会社など)が財務的に重要なESG リスクを投資先ポートフォリオごとに特定・理解することを支援するために設計され、異業種間での比較を可能とする絶対的なESGリスク評価を採用することで、機関投資家や金融機関の多様なESG評価ニーズに対応している。
ESGリスク評価は企業の経済価値がESG要因によってどの程度リスクにさらされているか(「Exposure」)を企業が管理するリスク(「Managed Risk」)から差し引かられた管理されていないESGリスク(「Unmanaged Risk」)の大きさを測定することで求められる。スコアが低いほどリスクが少ないことを表し、企業は5段階のリスクレベル(Negligible、Low、Medium、High、Severe)で評価される。これらの評価は絶対的なものであり、銀行と石油会社やその他の企業を直接比較することができるような基準となっている。
2023年リスク評価ランキング
リスクが軽微なグローバルトップ50の企業は銀行、交通インフラ、不動産業の順で多く、ヨーロッパ地域の企業が半数以上を占め、北米とアジア太平洋地域が続いた。アジア太平洋地域ではアジア開発銀行、大日本印刷(日)、シティ開発(シンガポール)、デクサス(豪)、シドニー空港(豪)、凸版印刷(日)、ヴァクランギー(印)がグローバルトップ50にランクインした。アジア地域のトップ(上位 6.7 %)に入った日本企業は48社でアジア太平洋地域の26 %を占め、産業別に不動産、技術ハードウェア、商業サービス、消費財の順で多かった。その他には自動車部品、メディア、半導体、小売業が含まれていた。世界のトレンドと比較すると日本では技術ハードウェアと商業サービスが目立った。ハードウェアではアンリツ、堀場製作所、キーエンス、NEC、セイコー、島津製作所、横河電機 電気や精密機器メーカーがび、商業サービスではベネフィットワン、 大日本印刷、ペルソル、リクルート、テクノプロ、凸版印刷が並んだ。Sustainalyticsは各企業のスコアのみならず、ESGの観点から重要性の高いマテリアル課題も開示している。
技術ハードウェアのESG評価比較
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