日本の大手保険会社3社が、国連が設立したネットゼロアセットオーナー・アライアンスに加盟し、同イニシアチブの賛同企業は53社となった。
日本の日本生命保険相互会社、住友生命保険相互会社、明治安田生命保険相互会社が加盟を発表した事で、合計1.4兆米ドル(約15.9兆円)の運用資産(AUM)を誇る保険会社が2050年までにネット・ゼロのポートフォリオを構築することを約束し、パリ協定の温暖化を1.5℃に抑えるという目標に沿って5年ごとに中間目標を設定するという。
同アライアンスは、わずか2年の間に、12の設立メンバーから、52の年金基金や保険会社が加盟し、合計で約9兆米ドル(約1000兆円)の資産を運用する強力な投資家グループに成長した。日本の保険会社3社の加盟は、3月に加入した第一生命保険相互会社に続くもので、日本での大きな展開が期待されている。
ここで各保険会社の最高投資責任者やCIO、取締役副社長らの発言を掲載する。
ー日本生命保険相互会社の最高投資責任者である大澤明子氏ー
「カーボンニュートラルへの道筋は、それぞれの国、地域、産業、企業によって異なります。様々な状況にある投資先企業との信頼関係に基づく長期的な忍耐強いエンゲージメントを通じて、彼らの脱炭素化への取り組みを後押しし、2050年までのネットゼロ目標の達成を目指します。このような野心的で粘り強い取り組みを、加盟メンバーと一緒に行えることを大変嬉しく思います。」
ー住友生命保険相互会社のCIOである松本巌ー
「当社は責任あるアセットオーナーとして、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを約束し、その進捗状況を定期的に報告します。持続可能な社会の実現に向けた当社の取り組みは、本アライアンスに参加することでさらに強化され、他のアセットオーナーの皆様と一緒に活動できることを大変嬉しく思います。」
ー明治安田生命保険相互会社 取締役副社長の荒谷正夫ー
「ネットゼロアセットオーナー・アライアンスに参加することで、グローバルなネットワークを活用したESG課題への取り組みや情報収集を強化できると確信しています。この取り組みにより、グローバルな情報開示の推進と温室効果ガスの削減に貢献することができます。また、2050年までに投資ポートフォリオのCO2排出量をネットでゼロにするという目標の達成に向けて、責任投資体制の強化と対応にも貢献できると考えています。」
来月英グラズゴで開催される国連気候変動会合(COP26)では、脱炭素社会の達成に向けた金融の役割が一つの焦点となる。大手保険会社3社が近いうちに設定する中間目標の内容と投資先企業に対する働きかけは、世界的にも注目されるだろう。
3社各位の発表は以下の通り
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