年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は外国株式を対象としたESG指数を新たに採用し、2つの指数を合わせて約 1.3 兆円で運用を開始した。
ESG評価の内容、組織体制、インデックスの構築手法等について審査を行い、指数会社に対して価値やリスクなどを調査した結果、以下の2指数を選定した。
- ESG総合型のMSCI ACWI ESG ユニバーサル指数
- 女性活躍テーマ型のMorningstar ジェンダー・ダイバーシティ指数(愛称「GenDi」)
MSCIのESGユニバーサル指数はMSCI旗艦指数の一つ。ESG格付けとESG トレンドをもとにしたウェイト調整を主眼としており、指数全体のESG評価を高めた総合型指数だ。
Morningstar ジェンダーダイバーシティ指数はEquileapジェンダー・スコアカードによる評価は以下の4つのカテゴリーで実施し、これに基づいて投資ウエイトを決定している。
①リーダーシップおよび従業員の男女均衡度
②賃金の平等とワークライフ・バランス
③ジェンダー平等を推進する方針
④コミットメント・透明性・説明責任
また、両ファンド選定の上で重視するポイントとして、以下の5点を挙げている。
①指数のウエイト付けや銘柄選定におけるESG評価の重視
②ESG情報の開示促進への期待(公表情報に基づく評価)
③評価手法の開示と企業との対話に前向きな指数会社・ESG評価会社
④評価対象のユニバースが可能な限り広いこと
⑤ESG評価会社・指数会社のガバナンスや利益相反管理の体制の整然さ
世界最大の機関投資家とよばれるGPIFがESGインデックスへの投資額を再び増加した影響は大きいだろう。インデックス投資家には参考になるだろう。しかし、新設定インデックスのラベルのみに着目していては、グリーンウォッシュのリスクもある。表面的なファンド情報のみならず、銘柄選定基準・投資先企業の事業内容などを注意深く注目したい。
参考リンク:GPIF:外国株式を対象とした ESG 指数を選定しました