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G7 財務大臣、気候変動情報の開示義務化へ

6月5日にロンドンで開催されたG7財務大臣会合では、企業が気候変動や環境に与える影響の情報開示を進め、義務化・標準化に向けて協力すべきだと会談後の最終コミュニケで初めて主要国が一連で言及した。

また、各国が異なるアプローチを採用することによる断片化の危険性を警告し、

「我々は、市場参加者に一貫した意思決定に有用な情報を提供する、気候関連の財務情報開示の義務化に向けての動きを支持する」など、

「これは、必要とされる何兆ドルもの民間資金を動員し、ネット・ゼロ(温室効果ガズ排出量実質ゼロ)を達成するために政府の政策を強化するのに役立つ」と、主要経済国によるカーボンニュートラルに向けた対策強化について強調している。その一貫で、カーボンプライシングの導入の有効性も記載されている。

中央銀行をはじめとする金融規制当局は、自国内の企業が気候変動リスクにどの程度さらされているのか、また、企業の活動が環境にどの程度配慮されているのかについて、信頼できるデータが不足していると指摘した。

気候変動関連の情報開示の義務化の動きは、より広範なグループであるG20でも議論されており、11月にグラスゴーで開催される国連気候変動会議(COP26)までに国際的な合意に達するのではないかとの見方もある。

コミュニケでは、気候変動関連の情報にとどまらず、サステナビリティ全般に関するグローバル・レポーティング・スタンダードの重要性を掲げた。更に、生物多様性保全の国際標準の必要性が指摘される中、「TNFD(Task Force for Nature-Related Financial Disclosure:自然関連財務情報開示タスクフォース)」の設置を歓迎し、そのタスクフォースの提言に期待を表明した。

G7財務大臣のコミュニケから強く伝わってくるメッセージは、金融界において気候変動対策やサステナビリティへの取り組みが、今後の企業評価と、投資を判断する重要な視点のみならず、世界経済の安定性に直結するシステミックリスクのマターとして捉えられていることが印象的だ。日本企業が世界に存在感を示すためには、G7財務大臣の見解を理解し、国際的なサステナビリティスタンダードを把握し、最適な対応策を実行に移すことが急務だ。6月11日~13日に英・コーンウォールで開催されるG7首脳会談では新型コロナワクチンの世界的な普及や自由貿易に加え、気候変動対策の強化は主要なテーマとなる。


参考リンク

ロイター通信

https://www.reuters.com/business/environment/g7-backs-making-climate-risk-disclosure-mandatory-2021-06-05/

G7財務大臣会合コミュニケ

https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy0215

TNFD

https://tnfd.info/news/g7-backs-new-taskforce-on-nature-related-financial-disclosures/

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