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HSBC:2050年までにCO2ネットゼロを目指す

HSBCは2050年までにCO2排出量をゼロにすることを目標とし、顧客の企業活動の脱炭素化への移行を支援するために7500億ドルから1兆ドル(約80兆円から110兆円)の資金を提供すると明らかにした。

ナットウエストなどのイギリスの銀行はすでにネットゼロ目標を掲げているが、アジアを中心とした顧客全体での達成を目指すHSBCの試みは重大な意味を持つ。新しい目標をどれだけ迅速かつ完全に追求するか、化石燃料関連の顧客への融資継続をどれほど許容するか、注目されている。

しかし、一部の環境保護団体からは、化石燃料への融資を抑制するためのより迅速な行動を取らなかったことへの批判を受けた。アジアの顧客は石炭部門への依存度が高いため、HSBCは比較的厳しい立場にある。排出量を測定する評価基準を設けるほか、資本市場に焦点を当てていたカーボン・トランジション政策を、融資、資産運用などより広範な政策へと拡大する方針を示した。

米国の大手銀行もネット・ゼロへの動きを見せている。ウォール街の重鎮であるJPモルガンチェースは、パリ協定に沿ってクリーンエネルギーへの投資を拡大し、2050年までのCO2排出ゼロに整合した取り組みを目指すと発表した。HSBCに比べ詳細な施策やコミットメントは少ない一方、大手銀行の脱炭素へのシフトが加速する。

銀行のCO2ネット・ゼロへの取り組みはグローバルスタンダードになりつつある中で、日本の大手銀行も含め、各行の迅速かつ具体的な対応が期待される。


参照リンク

Reuters:Exclusive: HSBC targets net zero emissions by 2050, earmarks $1 trillion green financing

JP Morgan Chase & Co:JPMorgan Chase Adopts Paris-Aligned Financing Commitment

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