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銀行の融資に伴う温暖化ガス排出量、オフィスの700倍以上

グローバル企業の環境データ開示システムを運営する非営利団体CDPが世界で初めて発表した報告書によると、金融機関の融資、投資、引受活動に伴う温室効果ガス排出量は、金融機関の事業活動による直接排出量の平均700倍以上であることが判明した。

4月下旬に発表された「Time to Green Finance Report」によると、世界の金融機関の気候関連の影響やリスクのほとんどが、より広範な経済活動への融資に起因しているという。しかし、CDPの金融サービス気候変動アンケートを通じて2020年の環境データを開示している332の金融機関のうち、融資および投資ポートフォリオに関連する温室効果ガス排出量を報告しているのは、わずか25%だった。

ポートフォリオへの影響を開示している84社には、AXAグループ、BNPパリバ、BNYメロン、HSBCホールディングスplc、リーガル・アンド・ジェネラル、野村ホールディングスなどが含まれ、27兆ドルの資産を保有している世界大手が含まれる。また、これら84社のうち半数以上の金融機関が、自社のポートフォリオの50%未満の資産を対象に排出量を報告していたという。

金融機関が温室効果ガス排出量を実質ゼロ(ネット・ゼロ)にする目標を発表する世界的機運が高まっている中、CDPの報告書は、金融機関が融資や投資のポートフォリオをネット・ゼロ・エコノミーに合わせるために、さらなる行動を起こす必要があると指摘している。銀行(45%)、アセットオーナー(48%)、アセットマネージャー(46%)の半数以下が、世界の平均気温上昇を2度C未満に抑えるという目標を達成するために投融資ポートフィリオを調整していると報告しているが、保険会社ではわずか27%が引受ポートフォリオの調整を行っているという。

金融機関のベスト・プラクティスの例としては、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標の設定、企業とのエンゲージメントによる脱炭素化への事業転換の支援、再生可能エネルギーへの投資などが挙げられる。オランダのABNアムロ、ドイツのアリアンツSE、仏大手BNPパリバ、英国のリーガル・アンド・ジェネラルは、同報告書の中で、ベスト・プラクティスの環境活動を行っている金融機関として挙げられている。

CDPの新レポートによると、金融機関はポートフォリオの排出量を過少に報告しているだけでなく、気候関連のリスクを過小評価していることについて焦点を当てている。

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