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ESGファンドの7割、気候変動対応が不十分

ここ数年、ESGや気候変動をテーマにした金融商品が大きく成長しており、提供されるESGファンドの運用資産額は2020年には総額1.7兆ドル(約186兆円)に到達したと言う。資金流入が増中、ESGや気候変動のキーワードを用いれた金融商品の品質、一貫性、透明性が問われている。

イギリスのシンクタンクInfluenceMapは最新の調査で、ESGや気候変動に関連するキーワードを用いて販売されている723本の株式ファンドのパリ協定との整合性を評価した。本調査では、下記2つの気候変動基準に基づいて投資ファンドを評価している。

・①投資ポートフォリオの組入銘柄のパリ協定との整合性

・②投資額に対する化石燃料関連資産の強度

ポートフォリオに組み入れている銘柄のパリ協定との整合性の評価は、金融業界で広く使用されているPACTAツールに基づいている。PACTAは、化石燃料、電力、自動車などの3,000社以上の生産計画データを用いて、地球の気温上昇を最小限に抑えるために、排出集約型のセクターで実現すべき排出削減量と、金融機関が保有するこれらのセクターの企業の実際の気候変動対策を比較するツールだ。PACTAでは、ポートフォリオの対象となる企業の5年間の生産計画に基づいて、ダイナミックで前向きなアプローチを採用している。

本調査では、投資信託のESG要素に関する30以上の検索用語を定義し、「幅広いESG」と「気候変動」をテーマにした2つの主要ファンドカテゴリーに分類した。

調査対象となった723本の株式ファンド(純資産総額3,300億米ドル以上)の593本を「幅広いESG」のカテゴリーに分類した。それらのESGファンドのうち、71%にあたる421本のファンドの投資先企業の温室効果ガス削減計画はパリ協定が定める気候変動目標達成に不十分であると評価した。

気候変動をテーマにした130本のファンドにおいては、気候変動パフォーマンスには非常に大きなばらつきがあり、ポートフォリオのパリ協定スコア(パリ協定との整合性を図るスコア)は-42%から+90%の範囲にある。Influencemapの評価によると、130本中72本(約55%)の気候変動テーマ株式ファンドの組入銘柄はパリ協定の目標達成と整合性がないと判定された。

出典:InfluenceMap

さらに、気候変動をテーマにしたファンドは、化石燃料生産バリューチェーンに関与する企業の株式を総額1億5300万ドル保有し続けていると言う。気候変動ファンドで最も多く保有されている化石燃料関連企業は、TotalEnergies、Kinder Morgan、Enbridge、Neste、Halliburton、Chevron、ExxonMobilなどだ。

国際エネルギー機関(IEA)が発表した「Net Zero by 2050」では、2050年までにカーボンニュートラルを実現するためには化石燃料の新たな開発を直ちに中止することが提言されており、このような保有資産はESG投資家にとって懸念材料となるだろう。

主な例外は「クリーンエネルギー」ファンドで、当然のことながら、再生可能エネルギーを多く含む電力セクターの企業への投資が多く、それ以外の企業への投資はほとんどないため、大半のファンドが「パリ協定」の正のスコアを獲得している。

InfluenceMapの分析によると、多くのESGファンドは世界の気候変動目標との整合性が乏しく、透明性が低いことが明らかになった。

一方で、「パリ協定スコア」が高かった資産運用会社及びファンドは存在する。

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