ESGファンドの7割、気候変動対応が不十分
ここ数年、ESGや気候変動をテーマにした金融商品が大きく成長しており、提供されるESGファンドの運用資産額は2020年には総額1.7兆ドル(約186兆円)に到達したと言う。資金流入が増中、ESGや気候変動のキーワードを用いれた金融商品の品質、一貫性、透明性が問われている。 イギリスのシンクタンクInfluenceMapは最新の調査で、ESGや気候変動に関連するキーワードを用いて販売されている723本の株式ファンドのパリ協定との整合性を評価した。本調査では、下記2つの気候変動基準に基づいて投資ファンドを評価 ...
炭素価格75米ドル上昇で、世界の株式相場は平均20%下落する
炭素価格が75米ドル上昇すると、世界の株式相場は平均20%下落するという新たな調査結果が発表された。 同調査は、860億ユーロの資産・受託管理会社であるケンペン・キャピタル・マネジメント社(以下、ケンペン社)によるもので、炭素価格の上昇が世界の株式市場の下落につながる可能性があると警告している。 ケンペン社は、長期投資家のポートフォリオを外部のショックから保護し、健全なリターンを確保するために、気候変動への対応をどのように投資分析に組み込むことができるかという研究の一環として今回の調査を実行した。 現在、 ...
ベンチャーファンドが「気候テック」へ投資拡大
ベンチャーキャピタル(VC)ファンドが、「気候テック」への投資を拡大している。気候テックとは、脱炭素社会の実現に向けた新技術のソリューションを意味する。交通、不動産、農業などの分野にまたがり、再生可能エネルギー、電気自動車、セルラー農業、森林管理などに取り組むスタートアップが含まれている。 ピッチブックのデータによると、2021年の現在までに、世界の投資家がクローズした気候変動関連のファンドの数は、過去5年間に調達されたファンド数と同程度になっているという。大量の資金の流入により、VCファンドが支援する ...
AIで企業のグリーンウォッシュを検出
欧州の研究者グループは、投資家が企業のウェブサイトや出版物、声明などに記載されている環境主張の信憑性を評価・監視するための新しいAIツール「GreenWatch(グリーンウォッチ)」を開発した。 気候変動問題への対応、廃棄物の削減、リサイクル素材の使用量の増加など、環境に配慮していることをアピールする企業が急増している。しかし、どの企業も地球を救うために活動していると主張することになると、グリーンウォッシュへの懸念が高まる。 多くの投資家や規制当局は、環境への影響を誇張したり、偽ったりする企業に警鐘を鳴ら ...
ESG SCHOOL アーカイブ動画(第4回公開!)
ESG SCHOOLとは? ThinkESGでは、「ESGの重要性とESG投資の始め方」をテーマに全5回の連続オンライン講座を開催してきました。 ESG投資が持続可能な社会への転換を導くキーワードとして注目される中、個人投資家レベルでは、未だにESG投資に関する情報が少なく、個人で始めるには「ハードルが高い」現状があります。そんな個人投資家のESG投資へのハードルが下げ、ESG投資を始めるきっかけを作ることが本講座の目的です。 講座テーマ一覧: #1:「ESG投資実践に向けての第一歩」| 3月28(日)& ...
IPCCの気候変動報告書、7つの重要な発見
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候変動に関する科学の最新報告書を発表した。IPCCは同報告書で「人間の影響が大気、海洋、陸地を温暖化させていることを疑う余地はない」とした。 今回発表された「第6次評価報告書」の一巻目は、過去8年間の最新科学を盛り込んでいる。気候がどの程度変化したか、将来的にどの程度変化するか、様々な地域におけるリスク、さらなる変化を抑えることが可能かどうかについて、最新の推定値を示した。 IPCCの科学者たちは、気候変動は「すべての地域および気候システム全体で観測され ...
バイデン大統領「自動車の未来は電気」
ジョー・バイデン米国大統領は8月5日、米国で販売されるすべての新車およびトラックの50%を、2030年までにゼロエミッション車にすることを求める大統領令に署名した。これは、バイデン政権が、米国における最大の温室効果ガスの排出源である自動車からの排出量を削減することで、気候危機に対処する計画の一環である。 欧州や中国では、規制、消費者へのインセンティブ、自動車メーカーや電池メーカーへの補助金などを用いて、すでに電気自動車の普及に力を入れてきた。バイデン大統領が同様の戦略をとることを表明したことは、世界の3大 ...
世界最大規模のネット・ゼロ投資ファンドが誕生
ブルックフィールド・アセット・マネジメント(Brookfield Asset Management)は、 「ブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンド(Brookfield Global Transition Fund - BGTF)の初回決算を70億米ドル(約7700億円)で行うことを発表し、温室効果ガス排出実質ゼロへの世界的な移行を加速する投資機会に特化した世界最大規模の投資ファンドを設立した。 ブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンドは、元イングランド銀行総裁で、国連の ...
【GSIA 2020】世界のサステナブル投資、過去4年間で55%増
全体的な世界像とその総額 グローバル・サステイナブル・インベストメント・アライアンス(GSIA)は、2020年初頭、5つの主要市場において、世界のサステナブル投資額は世界の運用資産総額の約3割に匹敵する35.3兆米ドルに達し、過去2年間(2018年~2020年)で15%、過去4年間(2016年~2020年)で55%増加したと最新調査報告書で発表しました(図1)。 図1 世界のサステナブル投資額の推移(2016-2018-2020年)(10億米ドル) (出所:GLOBAL SUSTAINABLE INVE ...
アマゾン熱帯雨林、毎年日本分のCO2を排出
アマゾンの熱帯雨林は、現在、吸収できる量よりも多くの二酸化炭素を排出していることが、科学者によって初めて確認された。その量は年間10億トンで、世界第5位の温暖化ガス排出国である日本の年間排出量に相当する。 研究者らによると、巨大な森林は、これまでは温暖化を引き起こしている二酸化炭素を吸収する炭素吸収源であったが、現在は温暖化の加速を引き起こしているという。 CO2排出量のほとんどは火災によるもので、その多くは牛肉や大豆を生産するための土地を整地するために意図的に行われている。しかし、火事がなくても、気温の ...