北欧:バイオ電池開発が加速
北欧でバイオ素材を活用する地球にやさしいバッテリー開発が加速している。 スウェーデンのノースヴォルト(Northvolt)、そしてフィンランドのポーラーナイト・エネルギー(Polar Night Energy)は、それぞれ木材・砂の自然の力を活かし、現在主流なリチウムイオン電池の製造に必要となるレアメタルなどに依存せずに、エコな技術でバッテリーの基本構造やエネルギー貯蔵のあり方をリデザインしている。 ノースヴォルト社、木材を原料とするエコ電池の開発を本格化 スウェーデンの電池開発会社Northvoltは、 ...
ドイツ政府:2030年までに再エネ80%目標を法律に
ドイツ連邦議会は、過去数十年で最大規模のエネルギー政策の改正を行い、今後数年間で再生可能エネルギー開発を大幅に増加させ、2030年までに同国の電力需要の80%を自然エネルギーで賄うという目標を承認する一連の法律を可決した。 この法律は、ドイツ新政権のクリーンエネルギー戦略の主要な部分を形成している。国の戦略は、気候変動に対するドイツの取り組みを強化し、2045年のカーボンニュートラル目標に到達するために、ドイツの石炭廃止を数年早め、再生可能エネルギーによる経済への移行を促進することを目的としている。 拡大 ...
気候変動関連の株主提案、過去最多に
上場する3月期決算企業約600社(全体の26%)が6月29日に定時株主総会を開き、株主から提案を受けたのは77社となった。近年、日本でも株主総会において企業に対しカーボンニュートラル達成に向けた行動と情報の透明性向上を求める株主提案が増えてきている。その中、今年気候変動関連の提案を受けたのは5社に上っている。これらの提案を支持する株主も増えてきており、2022年の株主総会では、支持を示す株主の数が過去最多となり、2021年から6割増えている。 電源開発 なかでも注目なのが、電源開発株式会社(J-Power ...
米国エネルギー長官:再エネへの転換は「最大の平和計画」
今週、日米豪印の4か国の枠組み、クアッドのエネルギー担当大臣がオーストラリアで初めて会合を開き、サプライチェーン、エネルギー安全保障、ゼロ・カーボン燃料、気候変動などについて協議した。日本はエネルギー逼迫を乗り越えるための液化天然ガス(LNG)の安定的調達に向けて豪米への働きかけを強めたと報じられているが、日本の状況を「理解」したとの回答にとどまった。各国が抱えるエネルギー安全保障問題と脱炭素化の実現の両立が岐路に差し掛かっていると言えるだろう。 そのなか、クアッド会合の前日に米国のエネルギー長官は、シド ...
Veg tech: 植物由来の代替タンパク質ETF が誕生
世界初の植物由来ETF「EATV」がニューヨーク証券取引所に上場した(NYSE:EATV) EATV ETF は、「植物由来のイノベーションと代替タンパク質」という全く新しいインパクト資産クラスを創出した。 このETF(上場投資信託)は、植物や植物由来成分を使って、気候変動や食糧安全保障に対応する持続可能な消費のための動物由来でない製品を作るために革新的なサプライチェーンを持つ40社以上の企業で構成されている。このETFは、ファンドアドバイザーであるVegTech™ Investによって作成されたもので、 ...
デンマーク:消費電力100%を風力発電で賄う
北欧では風が強く、5月27日、28日の2日間、デンマークの電力消費量の100%以上を風力発電で賄った。世界的なエネルギー危機の中、風力発電の価値が高まっている。風力発電メーカーの世界トップシェアを誇るベスタスを生み出した国デンマークは、有限な資源を理由に言い訳をせずに、技術とイノベーションと長期的ビジョンを武器に脱炭素社会を実現するリーダー的存在だ。 デンマークの送電システム運用会社Energinetによると、5月27日の風力発電の総発電量は94.9GWhで、24時間の電力需要の108.1%に相当した。 ...
50億ドルの脱炭素ファンド「GenZero」発足
シンガポールの政府系ファンドであるテマセクは、グローバルに脱炭素化を加速するための50億シンガポールドル(約4800億円)の投資会社「GenZero」を立ち上げると発表した。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書では、気候危機が深刻化していることが明らかになっている。世界の気温上昇を1.5℃以内に抑えるのは困難であると警告している。 地球への不可逆的なダメージを回避するため、あらゆるセクターで脱炭素化を加速し、世界全体の二酸化炭素排出量を削減することが急務だ。 現行政策より踏み込んだ形で、 ...
4億人の雇用を生む「ネイチャー・ポジティブ」とは
近年、「ネイチャー・ポジティブ(Nature Positive)」という概念が注目されている。 「ネイチャー・ポジティブ」とは、自然を優先する、増やす、損失をプラスに転じさせるなどの意味を持つ。 世界経済フォーラムの試算によれば、世界の経済全体の44兆ドル相当分(約5,600兆円)が自然に依存していると言われている。つまり、商品やサービスをつくり出すための資源を供給する生態系サービスを守ることは、事業を守ることに繋がることだと言える。 そこで世界では、組織や事業を継続するために生物多様性に取り組まなければ ...
ファッションブランド30社のサステナビリティ・ランキング
ファッションブランドは近年、消費者、特に若い消費者や政府から、環境問題への取り組みを強化するよう圧力を受けている。 サステナブルファッションがますます注目を集めている中、ファッション業界誌ビジネス・オブ・ファッション『The Business of Fashion(BOF)』は、ファッション業界の重要な持続可能性目標に向けた進捗状況を示す年次ベンチマーク「ビジネス・オブ・ファッション・サステナビリティ・インデックス2022」を発表した。大手ファッション企業30社の6つの影響カテゴリー(透明性、温室効果ガス ...
重工業、長距離運輸の脱炭素化を目指す「ファースト・ムーバーズ・コアリション」が50社超えに
世界経済フォーラム年次会合(Davos 2022)が5月22~26日にかけてスイスのダボスで開催された。世界各国の大手企業CEOや政治家などのグローバルリーダーが集まった場で、重工業と長距離輸送部門の脱炭素化を目指す官民連合「ファースト・ムーバーズ・コアリション」に、50社以上が加わったことが発表された。 民間企業リーダーとともに、デンマーク、インド、イタリア、日本、ノルウェー、シンガポール、スウェーデン、英国は、政府パートナーとしてイニシアチブの発足者である米国に加わり、主要9カ国が政策措置などを通じて ...