ソフトバンク株式会社は、2030年までに、事業活動で使用する電力、重油や天然ガスなどによる温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル2030宣言」を発表した。ソフトバンクは、同宣言を通して、日本政府が目指す2030年に2013年度比で温室効果ガスを46%削減するという目標および2050年までの脱炭素社会の実現に貢献していくとを表明した。
ソフトバンクの事業活動に伴う温室効果ガスの年間排出量は、CO2換算で約68万トン(2019年度実績)で、平均的な一般家庭の約25万世帯分に相当する。ソフトバンクでは、2020年度から全国約23万カ所の携帯電話基地局で使用する電力に対して、子会社であるSBパワー株式会社から実質再生可能エネルギーによる電気を購入し、2020年度末の基地局で使用する電気の約30%を実質再生可能エネルギーにしたという。
2021年度は50%以上、2022年度には70%以上の使用比率に引き上げ、温室効果ガスを削減する予定だ。さらに、基地局以外の全ての自社の施設・設備での使用電力についても、実質再生可能エネルギーによる電気への切り替えを進める。
こうした再生可能エネルギーへの切り替えと同時に、AI(人工知能)やIoTなどの最先端テクノロジーを最大限に活用して、自社の施設・設備の省電力化を図る。また、次世代電池の実用化に向けた研究開発も行うという。さらに、HAPS(High Altitude Platform Station、成層圏通信プラットフォーム)をはじめとする次世代通信システムなどへの次世代電池の導入も検討しており、環境負荷の少ないインフラの実現を目指すという。しかし、米IT大手のグーグル、アップルやマイクロソフトに負けずに、ソフトバンクもサプライチェーン全体を通じた温室効果ガス排出量の開示と削減計画を期待したい。
参考リンク
ソフトバンク株式会社https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2021/20210511_02/