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未来世代は気候変動で 「前例のない生活」に直面

先日、2021年に生まれた子どもたちは、60年前に生まれた人々と比べ、平均して7倍の熱波や2倍の山火事、約3倍の干ばつ、河川の洪水、農作物の不作などの異常現象が次々おこる地球で生活することになるという研究結果が、学術誌「Science」に掲載された。

 本研究は、ベルギーの公立大学であるブリュッセル大学が主導し、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンやノッティンガム大学などの大学から30名以上の研究者が参加した国際チームによって行われた。

 今回の研究結果に対し、主著者のWim Thieryは、「この研究結果は、最も厳しい気候変動緩和シナリオの下でも、現在の40歳以下の人々は前例のない生活を送ることになることを意味しており、若い世代の安全に対する深刻な脅威を浮き彫りにした。」と述べた。

 また、共著者であるJoeri Rogelj氏は、声明の中で、「気候の極端な変化」に苦しむ子供たちは、今日の大人たちの気候変動に対して何もしてこなかった結果に不平等にも直面している。また、この研究では、世代を超えた気候変動の根本的な不公平さと、今日の大人や権力を持つ年長者の責任を明らかにした。」と述べている。

 研究者たちは、極端な気候変動は、発展途上国の子どもたちにも不均衡な影響を与えるだろうと述べています。例えば、サハラ以南のアフリカでは、1億7200万人の子どもたちが、い生涯で6倍の異常気象や、50倍の熱波に直面するとされる。これに対し、ヨーロッパや中央アジアで生まれた同年代の子どもたちは5,300万人で、彼らの祖父母たちの年代と比べて約4倍の異常気象に直面することになるという。

 また、現在の政策では、地球は産業革命以前の気温よりも3度上昇する傾向にあるが、パリ協定の目標である1.5度に温暖化を抑えることができれば、次世代にかかる極端な気候変動の負担を大幅に軽減することができる、とも述べている。

 共同執筆者のSimon Goslingは、声明の中で、世界中の若者が学校ストライキや抗議活動を通じて気候変動への意識を高めようとしていることを称賛している。そして、温室効果ガスの排出量削減にむけて、より野心的な計画を立てることが必要だと述べた。

まとめ

 最も厳しい気候変動緩和シナリオの下でも、現在の40歳以下の人々、特に発展途上国の子供たちは前例のない生活を送ることになるという。このことは、今日の大人や権力を持つ年長者に責任があるということを明らかにした。しかし、パリ協定の目標である1.5度に温暖化を抑えることができれば、次世代にかかる極端な気候変動の負担を大幅に軽減することができるという。今後は、温室効果ガスの排出量削減にむけて、より野心的な計画を立てることが必要であると述べられている。


【参考文献】

USA today<Climate change study says kids could see more extreme weather events (ampproject.org)

Science: "Intergenerational inequities in exposure to climate extremes"
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abi7339?_ga=2.140428851.1086394533.1632749462-1575527405.1631121912&

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