日本の飲料大手キリンホールディングスは、ミャンマー民主政権を転覆させ、ジェノサイド(大量虐殺)で国際的な制裁を受けている軍人将校が一部出資しているミャンマー国軍系年金ファンド会社との提携を解消する方針を明らかにした。
キリンHDは、ミャンマー国軍系年金ファンド会社、「ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)」とビール事業のパートナーシップを組み、現地で合弁事業を行っていた。
国連の調査で、「MEHL」は、今回のクーデター首謀者のミン・アウン・フライング上級将軍が監督していることが判明している。
アムネスティ・インターナショナル・オーストラリアのキャンペーン担当者であるティム・オコナーは、キリンHDの決断を歓迎した。その一方、「MEHLがキリンHDとの合弁事業を通じて受け取った配当金は、今回のクーデターを含む、ミャンマー軍の資金源になっていた可能性が高い。」と述べている。
国連調査官によると、ミン・アウン・フライング上級将軍は、「大量殺戮の意図」を持って、ラカイン州の少数民族ロヒンギャに対して、子供を含む大量殺戮、集団レイプ、放火、組織的拷問を含むキャンペーンを展開したときのミャンマー軍の司令官だと判明している。
2月1日、彼に忠誠を誓った勢力がミャンマーの政府を掌握した。軍は根拠のない選挙違反の疑惑で、国民民主連盟(NLD)リーダーのアウン・サン・スー・チー氏を含む党幹部を拘束。ミン・アウン・フライング上級将軍は独断で、自身を少なくとも1年間、ミャンマーの指導者に任命し、国際的に猛烈な非難を受けている。
ミャンマーに投資している日本企業、特に軍事的なつながりのある企業は、人権リスク回避のためにも、キリンHDのように、緊急かつ透明性のある方法で対応することを期待する。
参考リンク
ロイター: REFILE-Japan Inc scrambles to assess fall-out in Myanmar after coup
ガーディアン: Kirin beer company cuts brewery ties with Myanmar military over coup