昨年3月、オーストラリアのシンクタンク、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)はサプライチェーンである中国の工場で、世界企業83社以上が収容施設から移送された8万人以上のウイグル族に強制労働をさせていると報告した。
日本企業11社がウイグル人権問題に関与している疑い、新報告書で判明
ASPIの調査発表以降、欧米ではアメリカのアパレルブランド大手パタゴニア、スウェーデン衣料品大手H&Mなどの企業が撤退や取引停止などの対策を発表した。また、アメリカ、イギリス、カナダなどの各国政府が輸入禁止などの対策を講じている。
報告の中で日本企業14社の名前も挙げられていた。これを受け、昨年4月に日本ウイグル協会はASPIに名指しされた日本企業に対し報道の事実関係や今後の対策について質問した。さらに、今月、同協会は国際人権NGO Human Rights Nowと共同でフォローアップ調査を実施した。
実際の回答は下記の通りだ。
(1)株式会社日立製作所
(3)三菱電機株式会社
(4)ミツミ電機株式会社
(5)任天堂株式会社
(6)ソニー株式会社
(7)TDK 株式会社
(8)株式会社東芝
(9)株式会社ユニクロ
(10)シャープ株式会社
(11)株式会社良品計画
(12)パナソニック(期限内の回答が無かったため、1月29日に電話して対応を促しました。電話対応した方は「担当部署に伝える」と言っていましたが、その後も回答が来ていない状況です。)
これらに加えて、日本ウイグル協会は「株式会社しまむら」と「京セラ株式会社」にも、追加で質問状を送るとしている。
大多数の企業で共通している点が、「事実関係が認められなかった」「新たな調査は実施していない」など真摯な対応が見受けられないことだ。その場しのぎの対応ではなく、誠実な解決姿勢を期待する。
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