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[イベントレポート] ESG SCHOOL #1 ESG投資実践に向けての第一歩

 ThinkESG主催の「ESG SCHOOL #1 ESG投資実践に向けての第一歩」 が3月28日にオンラインで開催されました。当日は、古野編集長の講義による、そもそものESGの意味や、ESG投資が世界で注目されている流れなど、ESG投資に関する基本的なインプットを中心に、ライブアンケートやディスカッションを通じた参加者とのインタラクティブな交流など、盛り沢山の内容を17名の参加者と共有しました。

 ThinkESGとして初めてのイベント開催で、いつもThinkESGを応援してくださっている読者のみなさんとお会いできて非常に嬉しかったです!そんな当日の様子をレポートします!

目次

講師紹介

古野 真(ふるの しん)- ThinkESG創設者/ 編集長 

気候変動に関するアジア投資家グループ(AIGCC)、シニア・マネージャー

株式会社エコロジカ顧問 / 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)フェロー

2020年1月からAIGCCで活動を開始し、投資家の立場から投資先企業及び政府機関とのエンゲージメントを担当。2020年2月から株式会社エコロジカの顧問に就任し、同時に地球環境戦略研究機関(IGES)のフェローに就任。現職に就任前は国際環境NGO350.orgの東アジアファイナンス担当を努め、350.orgの日本支部350Japanを2015年に立ち上げた。NGOセクターに携わる前にはオーストラリア政府の環境省で課長補佐として気候変動適応策を推進する国際協力事業を担当。気候変動影響評価・リスクマネジメントを専門とする独立コンサルタントとして国連開発計画(UNDP)、ドイツ国際協力公社(GIZ)や一般社団法人リモート・センシング技術センターのプロジェクトに参加。「サステナブル・ブランド ジャパン」でコラムニストを務める。クイーンズランド大学社会科学・政治学部卒業(2006),オーストラリア国立大学気候変動修士課程卒業(2011)

ESG SCHOOLとは何か?

 ESG SCHOOLとは、「ESGの重要性とESG投資の始め方」がコンセプトの全5回の連続オンライン講座です。「未来につながる、ESG投資を」実践する投資家を増やし、世の中に良い事業を応援し、持続可能な社会を作るというThinkESGのパーパースを実現するために開催しています。本講座を通して、投資初心者の方なら、ESG投資へのハードルが下がり、ESG投資を始めるきっかけを得ることができます。すでにESG投資を実践されている方にはESG投資戦略のより深い理解と考え方を得られます。また、参加者同士でESG投資に関するノウハウや経験をシェアする機会を設けることで、ESG投資を一緒に始める仲間と出会うきっかけを提供しています。

【イベントレポート】ESG SCHOOL #1 ESG投資実践に向けての第一歩

SCHOOL参加者の多様性

 まずは登録者データを確認し、SCHOOL参加者は年齢層、性別や投資経験、多様なバックグラインドを持つ方々が集まって頂いたことがまず一つめの収穫でした。

 そして、受講者の皆様に早速ライブアンケートで次にように問いかけました。

ライブアンケート#1参加者の皆様はどんなきっかけでESG投資に興味を持ちましたか? 

 投票の結果、第1位は、8票で「社会・環境問題の解決として」でした!次が3票で「資産形成」でした。

1.ESG 投資とは?

 本題では、そもそもESG投資はどのような投資なのかについて、編集長の古野がシンプルに説明しました。「ESG投資とは、環境問題(E)、社会課題(S)、ガバナンス(G)(企業統治)への取り組みが優れた企業を評価し、積極的に選ぶ投資判断」。

 さて、ESG投資家が投資先の企業を選ぶ際、企業のどのような取り組みを見るのでしょうか?実は、E・S・Gそれぞれに特に評価される項目があります。その詳細について紹介がありました。


(詳しくは、ThinkESG基礎知識10選から)

2.世界でESGが注目されている流れとは?

 最近、メディアや普段の会話でも「ESG投資」というワードを耳にする機会が増えましたが、実際、ESGの投資規模はどれくらい拡大しているのでしょうか?次にはその流れと背景についてデータを元にたどりました。

 世界持続的投資連合(GSIA)世界の投資額の内、ESGに配慮した投資額は2016年から2018年の間で3割増加しています。日本のESG投資残高は、欧米に比べて少ないものの、大和総研によると2015年末から2018年3月末までに360%増加したという結果が出ています。

 ESG投資が拡大した背景には、グローバルで起きた様々な出来事がダイレクトに関わっています。

このように金融のニューノーマルがESGに移ったことで、「ESG投資=長期投資のニューノーマル」になりつつあります。

 というのも、求められる企業のあり方が変わり、未来社会に貢献できる「ESGに強い企業」=「成長性のある企業」と判断されるようになっているからです。

 具体的には、サステナブルで事業員・社会のステークホルダー・人権に配慮し、ガバナンス体制が万全で責任のあるビジネスを行うような、未来社会に貢献する・必要とされる企業が、ESG投資家から高い評価を得るようになります。

 なぜなら、投資家にとって「ESGに強い企業」は、「成長性のある企業」であるため、投資先として将来の売上が期待できる、安定的で、あらゆるリスクも低減できる、妥当な投資判断。になるからです。

 つまり、投資のあり方も変わり、「ESG投資」=「中長期的妥当な投資判断」になったと言えます。

3.ESGの課題とは?

 しかし、ESGの概念を理解したとしても、個人投資家がESG投資をする際、どの情報源を参考にすれば良いのでしょうか?データや情報開示レポートなど、評価基準が様々で判断に迷ってしまうことは少なくありません。ここでESG投資の実践に向けて必ず向き合いないといけない課題もあります。

投資先がESG課題に対して本当に取り組んでいるのでしょうか?

E: 事業活動は本当に持続可能(それともグリーンウオッシュ)? 
S: 事業員の労働環境やサプライチェーン管理は見えるか(それとも人権リスクか)?
G: トップは本気かそれとも表面的な取り組みか?  などの点を見極める必要があります。

 さらに、「リターンにも繋がるのか」という点も大きな懸念材料です。

ライブアンケート#2参加者のみなさんは、ESG投資をする・検討する際に、E・S・Gの内どの要素をもっとも気にしますか?



投票の結果、第1位は9票で「E」。第2位は3票で「G」、第3位は、「S」で1票という結果でした。

 ここで参加者の皆様とのディスカッションに入り、編集長は次の様に問いかけました。「企業のESGへの配慮を確認する際に、どんな尺度を使いますか?」
ディスカッション内では、こんな意見が出ました!

「E」 企業の統合報告書。NGOなど第三者機関の評価レポート。
「S」企業の女性役員比率。
「G」社長の言動。外部取締役の比率。

全般の情報は、企業の公式ホームページなど、積極的に情報収集している参加者の皆様の熱量が伝わって来ました。

 しかしながら、大きな問題は、ESGに関する考え方が様々あり、ESG要素に対する評価基準のコンセンサスが存在しない中、その基準の設定により同じ企業でも、評価機関によってESG配慮スコアが大きく異ることが現状です。プレゼンの中で、編集長は大手情報プロバイダー・レーティング企業のFTSEとMSCIの評価スコアのばらつきを明らかにする図表についてコメントし、両者のスコアリングに全く整合性がないことからわかるように、「本物のESGを見極めるノウハウ」の重要性を強調しました。そのノウハウを皆様が身つけることができるように、今回の5回連続オンラインスクールを開催することにしました*。第2回〜4回の講座では、投資先のE/S/Gそれぞれの要素への取り組みを確認する方法や情報源などについて詳しく深堀りします。最終回の5回ではESG投資商品の選別方法やESG投資実践に向けたアドバイスに集中します。


次回のESG schoolは4月25日(日)開催。

 テーマは『ESGの「E」の重要性』。初回に参加出来なかった方も大歓迎です。一回だけの参加ももちろんOKです!参加費は500円(プレミアム会員は無料)となっております。
詳細はこちら :https://thinkesg.jp/esgschool/

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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