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企業のESG努力の欠如が離職原因に

コロナ禍では、リモートワークへの移行、生活の中の優先順位の変化、そして辞職する従業者が顕著にみられるなど、多くの企業は優秀な人材をよりよく採用し、雇用を継続する方法を再考する必要に迫られた。今、叫ばれているのは、「気候退職者 (英:Climate Quitting)」だ。*1

労働用語集に最近追加されたClimate Quitting (気候退職者) とは、雇用主がESGへの取り組みの期待を満たしていないと感じたために仕事を辞めたり、内定を断ったりする従業員を指す。*2  

マッキンゼーによる2023年の報告書によると、アメリカの労働者の51%が、会社の環境保護活動が自分の価値観に合わない場合、仕事を辞めることを検討し、調査対象の35%がすでに辞めたと答え、その数はZ世代とミレニアル世代の労働者では44%に上ったという。

では、企業は今後、どのように気候変動目標の達成と優秀な従業員の意欲と人材の維持・確保を行っていけばよいのだろうか。

ESGや多様性・公平・包括へのコミットメントは、組織に求める必須条件

気候変動活動家であり学者でもあるワワ・ガザール氏は「若者、特にZ世代とミレニアル世代は、ESGへのコミットメントの欠如を理由に仕事を辞めたり、内定を辞退したりしている」と、最近のグリーンビズ会議にて、多くの企業の代表者の前で演説した。また近年、労働人口の大部分を占める彼女のような層の人々は、グリーンで公正な移行が急務であることを明確に認識していると警告した。

なぜなら若者世代にとって、「ESGや多様性・公平・包括(DEI)へのコミットメントは、単なる追加条件ではなく、組織と将来を共にするための必須条件」だからである。では、その条件に対応するために、企業は何をするべきだろうか。

企業の経営を担う幹部クラスやサステナビリティ専門家に全面的に依存するのではなく、従業員一人ひとりが企業を動かして、気候変動に対して意味のある行動を起こすことは可能だろうか?もしくは、企業は気候変動目標の達成と優秀な従業員の意欲と人材の維持・確保の両方に役立つ、強固なサステナビリティ・プログラムを構築することができるのだろうか?

すべての仕事は気候変動対策に関わる仕事である

気候問題解決のための著名なシンクタンクは、組織と地球の健全性のために、従業員が気候変動目標の追求に関わるべきだと主張している。 プロジェクト・ドローダウンが発表した従業員向けガイド「企業の気候変動対策( Climate Solutions at Work)」は、

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