Sustainalytics: ESG 企業トップ50ランキングを発表
ESG評価機関Sustainalyticsは独自のESGリスク評価基準に基づき、14,000を越える企業や組織のESGランキングを発表した。ホームページには世界トップ50社や、各産業界や各地域で高評価を得た企業が好評され、同社から公式バッジが付与され、資本調達活動、マーケティングや広報目的に使用することが許可されている。 SustainalyticsによるESGリスク評価 米国モーニングスターグループの傘下にあるサステイナリティクスは、25年以上にわたり、世界中の投資家による責任投資戦略の開発と実践をサポ ...
CDP調査:1%未満の企業が信頼性の高い気候移行計画を策定
世界全体がネットゼロ達成に向けて急速に対応を行う中で、企業や組織は2050年までにGHG排出量実質ゼロという野心的な目標を持つだけでは不十分であり、ネットゼロに確実に移行していくためには「気候移行計画」を策定し開示していくことがこれまで以上に求められている。さらに、信頼性の高い気候移行計画を評価することが重要となっており、CDPは2022年に開示された全組織・企業の気候移行計画を分析評価した結果を報告した。 国際的な環境非営利組織であるCDPは投資家、企業、自治体、政府に働きかけを行い、それぞれの環境イン ...
海面上昇によりさらに2億4千万人以上が影響を受けることが判明
人為的気候変動は明白であり、1950年代以降、観測された多くの変化は、数十年から数千年にわたり前例のないものである。大気と海洋は温暖化し、雪と氷の量は減少し、海面が上昇している。(*1) これらが島国である日本にもたらす影響は大きく、2100年末までに60~63㎝海面が上昇すると予想されており(1981-2000年との比較)、また気温が3.5~6.4度上昇し、東京では年間の4分の1以上に当たる約105日が真夏日、大阪では年間の約4割に当たる約141日が真夏日になると予測されている。(*2) 気候変動の影響 ...
太陽光パネルの革新的リサイクル技術に期待
再生可能エネルギーの世界的普及により、太陽光パネルの設置が急速に拡大している。一方、使えなくなったパネルの廃棄物の処理も問題となっている。また、太陽光パネルの製造に必要なレアアースメタル(希土類金属)の価格高騰やサプライチェーンの混乱による仕入れの遅れも目立っている。 そんな中、オーストラリアのディーキン大学最先端材料研究機構の研究者らは使用済みのソーラーパネルからシリコンを安全かつ効率的に回収し、1キロあたり410万円の価値を持つ新規のナノマテリアルに変換する技術のテストに成功し ...
カーボンクレジット市場予測:「高品質」の定義が鍵
カーボンオフセットとは、人間の活動によって排出される温室効果ガスを、他の場所での同ガス削減・吸収活動で埋め合わせるという考え方。多くの企業や自治体は自ら2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指す中、カーボンオフセットの事業が世界的にも広まっている。 民間主導のカーボンオフセット市場は、1トン当たりの炭素排出量に相当する検証済み排出削減・吸収クレジットの取引を可能としており、今後数年間は、岐路に立たされるだろう。ブルームバーグNEF(BNEF)が1月末に公表した調査レポート「2023年長期カーボンオ ...
IEA:エネルギー技術の展望2023
〜ネット・ゼロ達成に不可欠な6つのクリーン・エネルギー技術とサプライチェーン〜 IEAの新しい報告書によると、世界は新たなエネルギー産業革命、すなわちクリーンエネルギー技術製造の時代の幕開けを迎えており、主要な新市場と数百万の雇用を創出する一方で、新たなリスクも生じ、世界各国は新しいグローバルエネルギー経済における地位を確保するための産業戦略を再構築する必要に迫られている。 「エネルギー技術の展望2023(以下、本報告書)」は、IEAの主要なシリーズの最新版であり、将来のクリーンテクノロジー産業に関するグ ...
ダボス会議からの展望
欧州での地上戦、景気後退の脅威、グローバリゼーションからの一部脱却などを背景に、スイスの山間の町ダボスで開催されていた世界経済フォーラムの年次総会が1月20日に閉幕した。 今年の「ダボス会議」は、政府、企業、市民社会から過去最多のリーダーが参加し、史上最大規模となった。ダボスでは、どのようなトピックスが話題となったのだろうか。コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、議論の中から5つの重要なポイントを取り上げた。 グローバルな混乱は収束していない。企業は、明日に備えるために、今のうち、レジ ...
[2023 Global 100] 世界で最も持続可能な企業ランキング
サステナビリティ専門の独立系メディア・調査会社であるコーポレート・ナイツは、グローバル企業6,720社の分析に基づき、世界で最も持続可能な企業ランキング「2023 Global 100」を発表した。 コーポレート・ナイツ社が毎年発表するこのランキングは、世界の大手上場企業のサステナビリティ・データを定量的に比較し、ランク付けしたものだ。 同社が毎年発表するこのランキングは、企業の事業や主要製品・サービスが環境や社会に与える影響を、中核的な事業活動と同様に重視する。 同ランキングは、売上高10億米ドル以上の ...
世界経済フォーラム「グローバル・リスク・レポート2023」
世界経済フォーラムの最新版「グローバル・リスク・レポート2023」では、今後10年間に世界が直面する最大のリスクが明らかにされている。 今後2年間は生活費危機が最大のリスクとされ、今後10年間は環境リスクが支配的となる。 グローバルなリスクと危機が相互に関連していることから、今後数年間は「多発性危機」の脅威が生じると指摘する。 コロナウイルスからヨーロッパでの戦争まで、今回の『グローバル・リスク・レポート』が説明するように、これらは「食糧とエネルギーにおける新たな一連の危機であり、数十年の進歩が解決を目指 ...
2023年のESGテーマ
2022年はESG投資の観点からは不安定で不利益なできごとが多数起きた。一方で、コロナウイルスとエネルギー危機への対応に加え、さらに気候変動対策の強化や生物多様性の回復という中長期の課題解決がさらに重要とされる時代の中、ESG対応が優れている企業は外部環境の変化に対して引き続き柔軟に適応する能力(レジリエンス)が高いことを踏まえておけば、中長期的にパフォーマンスは市場平均を上回ることが期待できる。2023年も市場のボラティリティーが続くことは避けられないが、ThinkESGが注目する3つのESGテーマを紹 ...