ISSBが初の世界的サステナビリティ開示基準を発行
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は6月26日、初の世界的サステナビリティ開示基準であるS1とS2を公表した。この基準は、企業のサステナビリティに関する開示に対する信頼と信用を向上させ、投資判断に役立てるものである。 また、同基準は、気候変動に関連するリスクと機会が企業の見通しに与える影響を開示するための共通言語を初めて作成した。 本基準は、世界中の証券取引所が主催するイベントの中、国際会計基準(IFRS)の策定を担う民間の非営利組織であるIFRS財団の年次会議において、ISSB議長のエマニュエル ...
国内最大のESG関連ETFに1100億円超の出資
北欧フィンランドの機関投資家が、ブラックロック・ジャパン株式会社の新しい脱炭素化への移行に着目した上場投資信託(ETF)に8億ドル(約1100億円)の大口投資を行った。 国内最大のESG関連ETFに1100億円超の出資 ヘルシンキに拠点を置く大手年金基金イルマリネンは、米国に上場している「iシェアーズ・クライメート・コンシャス&トランジションMSCI USA ETF(UCL)」に21億ドル(約3000億円)、東京証券取引所に上場した「iシェアーズ MSCIジャパン気候変動アクションETF(2250)」に8 ...
環境NGO8団体が、東南アジアで自然に根差した解決策連合を発足
世界的に著名な環境保護NPO8団体が、2023年6月8日までシンガポールで開催されたエコスペリティ*1・ウィークにおいて、「東南アジア気候・ネイチャー・ベースド・ソリューション連合(SCeNe Coalition)」を発足した。SCeNe Coalitionは、高いレベルでのネイチャー・ベースド・ソリューションの提供および投資を、東南アジア地域全体で支援することを目的としたパートナーシップだ。 ネイチャー・ベースド・ソリューション(NbS)は、国際自然保護連合(IUCN)が提唱し、世界的に注目を集めている ...
企業向け「科学的根拠に基づく自然に関する目標」公開
国際的組織が、企業向けに初めて「科学的根拠に基づく自然に関する目標」を発表した。これは、企業が生物多様性や生態系の損失を防ぐための目標設定をすることを促すものであり、自社の事業活動による自然環境の負荷を最小限に抑えるための具体的な指標を提供している。これによって企業は、自社の経営戦略を科学的根拠に基づいて評価し、より健康で、より回復力のある、公平な世界を目指すための目標を設定することができる。 科学的根拠に基づく自然に関する目標 80以上の環境NPOや慈善団体などの国際的組織であるThe Science ...
温暖化を1.5度以下に抑えるための世界の「炭素予算」がわずか3年で半減した
著名な気候科学者50人が6月8日に発表した新しい研究結果によると、世界の「カーボン・バジェット(炭素予算)」と呼ばれる、地球の気温上昇を1.5℃以内に抑える確率を50%とするために大気中に放出できる温室効果ガスの推定値はわずか3年で半減した。 2020年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は残りのカーボン・バジェットを約500ギガトン(ギガトン=10億トン)の二酸化炭素換算と計算した。しかし2023年初頭には、残量はその半分の約250ギガトンになっている。現在の世界の年間温室効果ガス排出量の約57ギ ...
2023年、世界のクリーン・エネルギー投資は約240兆円に増加
国際エネルギー機関(以下IEA)の最新の報告書によると、クリーンエネルギー技術への投資が化石燃料への支出を大きく上回っている。世界的なエネルギー危機を契機とした安全保障への懸念や物価上昇の懸念などの要因から、よりサステナブルなエネルギー開発を選択する機運が高まっている。 IEAの最新「世界エネルギー投資報告書 (World Energy Investment 2023) 」によると、2023年には全世界で約2.8兆米ドル(約390兆円)のエネルギー投資が予定されており、そのうち1.7兆米ドル(237兆円) ...
化石燃料を廃止するために金融機関や太平洋諸国が動き出す
化石燃料の段階的廃止を推進する金融機関や太平洋諸国が動き出す。 世界的な金融機関であるフランスのBNPパリバが化石燃料開発に今後一切資金提供を行わないことを発表した。化石燃料開発に資金提供を行わないことで、石油・石炭・ガス業界の成長にブレーキをかけ、自社の事業活動による気候変動への影響を減らすために同社が方針改訂に踏み切った。また、石炭、石油、ガスをの新規開発を廃止し、公正な移行を促進するための国際的な枠組み案である「化石燃料不拡散条約」の策定を目指す太平洋諸島諸国の取り組みについて紹介する。 フランスの ...
アジア太平洋気候リーダーズ2023 、日系4社トップ10入り
英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、「アジア太平洋気候リーダーズ2023」の企業リストを5月25日に公表した。同ランキングは、過去5年間に自社の温室効果ガス排出量削減を最も進めたアジア太平洋企業上位275社をリストアップしたものだ。日本企業4社は上位10社にランクインした。野村総合研究所(3位、75.1点)、中外製薬(6位、73.8点)、NTTデータ(8位、73.4点)、丸井グループ(10位、73.2点)それぞれの取り組みが高く評価され、国別の成績では日本企業が2年連続トップで130社が掲載された。 ...
トヨタ自動車にも株主が気候変動関連決議案を提出
日本の柱である自動車産業の今後は? トヨタ自動車に対して、欧州の資産運用会社3社が、6月開催予定の定時株主総会を前に、気候変動に関するロビー活動に係る決議案を提出した。トヨタ自動車の株を合計で約4億ドル分(約551億円)保有する3つの運用会社によるこの動きは、新社長の佐藤幸治氏が、同社の環境ロビー活動について、投資家や環境アクティビストたちから圧力を受けていることを浮き彫りにした。 ※日本の大手電力会社の決議案についての記事はこちらから。 株主決議案 5月10日、気候変動に関するロビー活動のさらなる開示を ...
G7が取り組むべき3つの気候変動対策
本日、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7カ国(G7)の首脳と欧州連合(EU)の欧州委員会委員長が広島に集まり、第49回目の首脳会議を開催する予定だ。当然ながら、経済安全保障と共に、気候変動への対策が重要な議題となっており、G7のリーダーシップが期待されている。気候変動による影響が増大し、低炭素エネルギーへの移行が岐路に立たされている中、G7は、取るべき行動を迅速かつ決定的にし、国際連携を強めることができるかが会議の成果指標の一つだ。ウクライナ侵攻に伴い、法に基づいた国際秩序が崩れない ...