アフリカで広がるインパクト投資
経済的リターンだけでなく、社会的リターンも同時に追求することを目指すインパクト投資が、世界的に注目を集める。今回のブログでは、そのインパクト投資が急速に広がるアフリカの事例について徹底解剖していく。 1. インパクト投資とは インパクト投資とは社会面・環境面での課題解決を図ると共に、財務的な利益を追求する投資行動のことを指す。従来の投資は「リスク」と「リターン」という2つの軸による価値判断が下された。これに「インパクト」という3つ目の軸を取り入れた投資、かつ、事業や活動の成果として生じる社会的・環境的な変 ...
G7が取り組むべき3つの気候変動対策
本日、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7カ国(G7)の首脳と欧州連合(EU)の欧州委員会委員長が広島に集まり、第49回目の首脳会議を開催する予定だ。当然ながら、経済安全保障と共に、気候変動への対策が重要な議題となっており、G7のリーダーシップが期待されている。気候変動による影響が増大し、低炭素エネルギーへの移行が岐路に立たされている中、G7は、取るべき行動を迅速かつ決定的にし、国際連携を強めることができるかが会議の成果指標の一つだ。ウクライナ侵攻に伴い、法に基づいた国際秩序が崩れない ...
【アースデイ特集】気候変動を阻止するめに今日からできる3つのこと
私たちが今後7年間で温室効果ガスの排出量をほぼ半減できなければ、地球温暖化は1.5度を越え、気候変動による最悪の影響に苦しむことになる。これは気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最新の報告書(AR6)で発表されており、温室効果ガス排出量が増加し続ける現状を見ると達成は一見不可能のように思える。 しかしIPCCは、脱炭素社会を実現するために効果的かつ低費用で実現可能な選択肢はすでに私たちのまわりに溢れていると指摘した。最悪の事態を回避するために、2030年までに最も効果的な対策を示す図表が私たちが ...
グリーンウォッシュに騙されないための3つのチェックポイント
気候変動に関心が集まり環境への意識が高まるにつれて企業にもサスティナビリティや環境配慮が求められている。近年問題として取り上げられているグリーンウォッシュをご存知だろうか。 グリーンウォッシュとは、汚れた壁を素早く簡単に、清潔で明るく、新しいものに見せる特殊な塗料に掛けて、評判を守るために、不快な事実や不利な事実を意図的に隠そうとする意味の「ホワイトウォッシュ」という言葉と環境に配慮しエコな「グリーン」なイメージを組み合わせた造語である。 本ブログではグリーンウォッシュについて、最近の事例を挙げながら、グ ...
太陽光パネルの革新的リサイクル技術に期待
再生可能エネルギーの世界的普及により、太陽光パネルの設置が急速に拡大している。一方、使えなくなったパネルの廃棄物の処理も問題となっている。また、太陽光パネルの製造に必要なレアアースメタル(希土類金属)の価格高騰やサプライチェーンの混乱による仕入れの遅れも目立っている。 そんな中、オーストラリアのディーキン大学最先端材料研究機構の研究者らは使用済みのソーラーパネルからシリコンを安全かつ効率的に回収し、1キロあたり410万円の価値を持つ新規のナノマテリアルに変換する技術のテストに成功し ...
ダボス会議からの展望
欧州での地上戦、景気後退の脅威、グローバリゼーションからの一部脱却などを背景に、スイスの山間の町ダボスで開催されていた世界経済フォーラムの年次総会が1月20日に閉幕した。 今年の「ダボス会議」は、政府、企業、市民社会から過去最多のリーダーが参加し、史上最大規模となった。ダボスでは、どのようなトピックスが話題となったのだろうか。コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、議論の中から5つの重要なポイントを取り上げた。 グローバルな混乱は収束していない。企業は、明日に備えるために、今のうち、レジ ...
2023年のESGテーマ
2022年はESG投資の観点からは不安定で不利益なできごとが多数起きた。一方で、コロナウイルスとエネルギー危機への対応に加え、さらに気候変動対策の強化や生物多様性の回復という中長期の課題解決がさらに重要とされる時代の中、ESG対応が優れている企業は外部環境の変化に対して引き続き柔軟に適応する能力(レジリエンス)が高いことを踏まえておけば、中長期的にパフォーマンスは市場平均を上回ることが期待できる。2023年も市場のボラティリティーが続くことは避けられないが、ThinkESGが注目する3つのESGテーマを紹 ...
2022年ThinkESG人気記事ランキング
ThinkESGの2022年の人気記事トップ5を発表!今年のESGキーワードは「人権」、「ESGウォッシュ」、「COP27」、「ネットゼロ」と「インフレ削減」でした。まだお読みになっていない方は、ぜひチェックしてください。 WBA:人権重視する大手企業格付けを発表 「ESGウォッシュ」に騙されないための4つのポイント COP27特集: 気候変動における「損失と損害」とは? IEA:2050年ネットゼロ・シナリオを発表 米国「インフレ削減法」可決、史上最大 ...
COP27特集: 気候変動における「損失と損害」とは?
エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されている国連気候変動会議COP27(第27回国連気候変動枠組条約締約国会議)では、気候変動における被害に苦しむ途上国を含んだアフリカ大陸での開催につれ、気候危機における「損失と損害」についての議論が注目されている。 初の議題『Loss and Damage(損失と損害)』 今回初めて会議の正式アジェンダの中に『Loss and Damage(損失と損害)』が取り上げられた。 今年初めに開催されたドイツ・ボンの会議でパキスタンによって提案され、正式に採用された。パキ ...
木質バイオマス発電、ほんとにサステナブル?
「カーボンニュートラルな電気」として木質バイオマス発電の導入量は年々増加してきました。当初は林地残材などの地域の森林資源利用の推進は目的の一つであったが、近年は海外産の原料輸入が急速に伸びています。世界に先駆けてバイオマスの導入を活発に進めてきた欧州でも同様の現象が起こっており、木質バイオマスの「カーボンニュートラル」や持続可能性について多くの疑問点が顕在化してきています。本記事では欧州での最新の取り組みと交えながら、日本や世界における木質バイオマス発電の持続可能性について説明します。 バイオマスエネルギ ...