COP26第一週レビュー
10月31日に開幕したCOP26サミットでは、世界各国の首脳、外交官や企業らが次々と気候変動対策に関する発表を行った。今年の会議では、「Keeping 1.5 alive(1.5℃目標の達成を可能とする)」が非公式の標語となっているという。 気候変動対策の厳しい現実として、各国の政府や企業、金融機関が排出量削減の野心を強めているが、額面通りに受け止め、最大限のフォローを想定したとしても、パリ協定で定められた地球の平均気温を産業革命前に比べて1.5℃の上昇を下回る気温を維持するには、COP26での誓約は足 ...
COP26で日本が再び「化石賞」受賞した理由とは
英グラスゴーで10月31日、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が始まった。COP26には、2030年までに温暖化ガス排出量をどのように削減して地球を救うのか、その方針を提示するために約200の国と地域の代表が集まった。開会式では、アロク・シャーマCOP26議長が、「私たちが共有する惑星は、悪い方向へ向かって変化している。これは誰もが承知していることで、対策をとるには誰もが一致しなくてはならない」と述べた。 11月2日には岸田総理も訪問し、アメリカ合衆国のジョセフ・バイデン大統領と懇談を ...
気候脆弱国フォーラムCVFがCOP26で「気候非常事態協定」求める
地球温暖化により深刻な影響をこうむると考えられる世界48か国の途上国が加盟する気候脆弱国フォーラム通称CVF※1が現在、英グラズゴーで開催中の気候変動対策を話し合う国連会合COP26で期待する結果についてマニフェストを採択した。内容は、気候変動の影響に最も脆弱な人々を保護するために必要とされる緊急アクションを国際社会に呼びかけている。 1.「気候非常事態協定」を実現することを求める ・2020年から2024年まで、途上国に年間1,000億ドル(約11兆4000億円)の気候変動対策資金を提供するためのデリバ ...
SBTiが世界初企業向けネットゼロ基準発表
Science Based Targets initiative(以下SBTi)は、科学的根拠に基づいた企業のネットゼロ目標設定に関する世界初の基準を発表した。 同スタンダードに認定されるには、企業の脱炭素戦略が、パリ協定の努力目標である「地球温暖化を1.5℃に抑える」ことと一致していることが条件となる。2021年8月には、80社以上の企業が本規格のロードテストに参加し、検証プロセスは来年、正式に開始される。SBTiは、パイロットスキームの一環として、ネットゼロ目標が認定される最初の7社の企業を挙げてお ...
日本の銀行5社、ネットゼロ銀行アライアンスに加盟
国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEPFI)が主導する「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(以下NZBA)」には、現在(2021年10月31日)、37カ国の88の銀行が加盟しており、それらの銀行の総資産は米65兆ドル(約6,500兆円)もの世界の銀行資産額の3分の1以上を占める。NZBAに加盟している銀行は、2050年までに融資や投資のポートフォリオから排出される温室効果ガス排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)とすることを約束している。日本の金融機関5社がNZBAに参加しており、三菱UFJと野村に続き、10 ...
アル・ゴア「ジャスト・クライメート」投資ファンド設立
元米国副大統領アル・ゴアと元ゴールドマン・サックスCEOのデビッド・ブラッド氏は、各国が気候変動への対応を迫られる中、世界的に温暖化ガス排出量を実質ゼロにすることを目的とした新しい資産運用会社を設立した。 同資産運用会社「ジャスト・クライメイト」は、世界の気温上昇を1.5度に抑えるためのソリューションに投資する計画を明らかにした。同ファンドは、これまで投資家が無視してきた、世界経済の中で最も脱炭素化が困難な分野を投資対象とするとともに、国連が2050年までに年間3兆ドルと見積もっている、温室効果ガスネット ...
日本の保険会社3社、国連ネット・ゼロ投資アライアンスに加盟
日本の大手保険会社3社が、国連が設立したネットゼロアセットオーナー・アライアンスに加盟し、同イニシアチブの賛同企業は53社となった。 日本の日本生命保険相互会社、住友生命保険相互会社、明治安田生命保険相互会社が加盟を発表した事で、合計1.4兆米ドル(約15.9兆円)の運用資産(AUM)を誇る保険会社が2050年までにネット・ゼロのポートフォリオを構築することを約束し、パリ協定の温暖化を1.5℃に抑えるという目標に沿って5年ごとに中間目標を設定するという。 同アライアンスは、わずか2年の間に、12の設立 ...
「サステナブル&ESG投資賞2021」受賞者発表
イギリスの投資雑誌Investment Weekは、BMOグローバル・アセット・マネジメント社の協力を得て、優れたESG投資ファンドや資産運用会社を評価する「Sustainable & ESG Investment Awards 2021」の受賞者を祝福した。今年のInvestment Week誌は、15年に及ぶこの賞の歴史を踏まえ、ESGやサステナブル投資の分野の大きな成長と読者の関心事をよりよく反映させるために、いくつかの新しいカテゴリーを導入し、審査委員会を拡大した。 今年は、以下のような新 ...
ユニリーバ2039年までにバリューチェーン全体でCO2ゼロを目指す
先日、食料品、生活用品メーカーのユニリーバが、2039年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出ゼロを達成するという目標を発表した。 これは、2030年までに自社事業全体でゼロエミッションを達成すると言う従来の目標の範囲を大幅に広げたことになる。バリューチェーンにおけるGHG排出量の大半は、自社の事業活動以外で発生していることを認識し、気候変動に配慮する企業が増えている。 これまでの成果として、世界中のすべてのユニリーバ工場、オフィス、研究開発施設、データセンター、倉庫、流通センターが100%再生 ...
46兆ドル規模の投資家グループ 5つの優先行動を各国政府に要請
46兆米ドル(約5千兆円)の運用資産を有する587の機関投資家が、気候危機への対応に必要な数兆ドルの投資を可能にする5つの優先行動を迅速に実施するよう各国政府に呼びかけた。 11月にイギリスのグラズゴーで開催される第26回国連気候変動会議(COP26)に向けて、気候変動に配慮した投資行動を促す世界的投資家イニシアチブ「The Investor Agenda※」が、「2021年 気候危機に関する政府に向けてのグローバル投資家ステートメント」を公開した。 587の機関投資家の中、Allianz Global ...