VCMI:カーボンクレジットの企業利用促進に向けた認証制度
ボランタリー・カーボンマーケット・インテグリティ・イニシアチブ(VCMI)は、2023年6月28日に企業によるカーボン・クレジットの活用促進に向けての新たな認証制度を発表した。 カーボン・クレジットとは、CO2など温室効果ガスの排出削減量を1トン当たりに区分けした証書を、主に企業間で売買可能にする仕組みのこと(*1)。航空業界など排出削減が難しい業界も、企業がカーボン・クレジットを購入し、償却することで、排出量削減に貢献していることをアピールすることが可能となる。 VCMIは、企業向けに透明性の高いカーボ ...
過去125000年で最も暑い日
2023年7月4日(火)は、観測史上最も暑い日となった。 地球の平均気温は17.18度で、1979年に衛星による記録が始まって以来最高となった。ワシントンポストなどの取材によると、樹木の年輪や氷床コアなどのデータを含めれば、12万5000年前の最後の間氷期以降で最も暑い日となったと結論付ける科学者が多数いる。 この猛暑は、気候変動、夏の始まり、そして最近のエルニーニョの再来と海面水温の例年以上の上昇の組み合わせによって引き起こされた。 4日の平均気温は、たった1日前の2023年7月3日(月)に記録された観 ...
海苔の収穫量が過去51年間で最低に
日経アジアの取材によると、海苔の収穫量は過去51年間で最低となった。 日本有数のノリの生産地として知られる有明海の海苔養殖場では、低栄養水準と高温で収穫の量も質も低下している。今年日本では、海苔のほぼ3分の1を輸入しなければならなくなった。 今回の生産量の低迷は、降水量の少なさと海水温の高さによって発生した赤潮(*1)が原因であると報じられている。また河川の水位低下によって重要な栄養素である窒素とリンが減少したことで、海苔が変色し質が低下している。日経アジアによれば、農家からの仕入れ価格は46%上昇し、家 ...
ISSBが初の世界的サステナビリティ開示基準を発行
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は6月26日、初の世界的サステナビリティ開示基準であるS1とS2を公表した。この基準は、企業のサステナビリティに関する開示に対する信頼と信用を向上させ、投資判断に役立てるものである。 また、同基準は、気候変動に関連するリスクと機会が企業の見通しに与える影響を開示するための共通言語を初めて作成した。 本基準は、世界中の証券取引所が主催するイベントの中、国際会計基準(IFRS)の策定を担う民間の非営利組織であるIFRS財団の年次会議において、ISSB議長のエマニュエル ...
国内最大のESG関連ETFに1100億円超の出資
北欧フィンランドの機関投資家が、ブラックロック・ジャパン株式会社の新しい脱炭素化への移行に着目した上場投資信託(ETF)に8億ドル(約1100億円)の大口投資を行った。 国内最大のESG関連ETFに1100億円超の出資 ヘルシンキに拠点を置く大手年金基金イルマリネンは、米国に上場している「iシェアーズ・クライメート・コンシャス&トランジションMSCI USA ETF(UCL)」に21億ドル(約3000億円)、東京証券取引所に上場した「iシェアーズ MSCIジャパン気候変動アクションETF(2250)」に8 ...
環境NGO8団体が、東南アジアで自然に根差した解決策連合を発足
世界的に著名な環境保護NPO8団体が、2023年6月8日までシンガポールで開催されたエコスペリティ*1・ウィークにおいて、「東南アジア気候・ネイチャー・ベースド・ソリューション連合(SCeNe Coalition)」を発足した。SCeNe Coalitionは、高いレベルでのネイチャー・ベースド・ソリューションの提供および投資を、東南アジア地域全体で支援することを目的としたパートナーシップだ。 ネイチャー・ベースド・ソリューション(NbS)は、国際自然保護連合(IUCN)が提唱し、世界的に注目を集めている ...
企業向け「科学的根拠に基づく自然に関する目標」公開
国際的組織が、企業向けに初めて「科学的根拠に基づく自然に関する目標」を発表した。これは、企業が生物多様性や生態系の損失を防ぐための目標設定をすることを促すものであり、自社の事業活動による自然環境の負荷を最小限に抑えるための具体的な指標を提供している。これによって企業は、自社の経営戦略を科学的根拠に基づいて評価し、より健康で、より回復力のある、公平な世界を目指すための目標を設定することができる。 科学的根拠に基づく自然に関する目標 80以上の環境NPOや慈善団体などの国際的組織であるThe Science ...
温暖化を1.5度以下に抑えるための世界の「炭素予算」がわずか3年で半減した
著名な気候科学者50人が6月8日に発表した新しい研究結果によると、世界の「カーボン・バジェット(炭素予算)」と呼ばれる、地球の気温上昇を1.5℃以内に抑える確率を50%とするために大気中に放出できる温室効果ガスの推定値はわずか3年で半減した。 2020年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は残りのカーボン・バジェットを約500ギガトン(ギガトン=10億トン)の二酸化炭素換算と計算した。しかし2023年初頭には、残量はその半分の約250ギガトンになっている。現在の世界の年間温室効果ガス排出量の約57ギ ...
2023年、世界のクリーン・エネルギー投資は約240兆円に増加
国際エネルギー機関(以下IEA)の最新の報告書によると、クリーンエネルギー技術への投資が化石燃料への支出を大きく上回っている。世界的なエネルギー危機を契機とした安全保障への懸念や物価上昇の懸念などの要因から、よりサステナブルなエネルギー開発を選択する機運が高まっている。 IEAの最新「世界エネルギー投資報告書 (World Energy Investment 2023) 」によると、2023年には全世界で約2.8兆米ドル(約390兆円)のエネルギー投資が予定されており、そのうち1.7兆米ドル(237兆円) ...
化石燃料を廃止するために金融機関や太平洋諸国が動き出す
化石燃料の段階的廃止を推進する金融機関や太平洋諸国が動き出す。 世界的な金融機関であるフランスのBNPパリバが化石燃料開発に今後一切資金提供を行わないことを発表した。化石燃料開発に資金提供を行わないことで、石油・石炭・ガス業界の成長にブレーキをかけ、自社の事業活動による気候変動への影響を減らすために同社が方針改訂に踏み切った。また、石炭、石油、ガスをの新規開発を廃止し、公正な移行を促進するための国際的な枠組み案である「化石燃料不拡散条約」の策定を目指す太平洋諸島諸国の取り組みについて紹介する。 フランスの ...