アマゾンは、サステナビリティに焦点を当てた10億ドル(約1090億円)の社債(サステナビリティ・ボンド)を発行することを発表した。この債券は、アマゾンがこれまでに行ってきた重要な投資を基に、5つの分野のプロジェクトに使用さるという。再生可能エネルギー、クリーンな輸送、持続可能な建物、手ごろな価格の住宅、社会的な進歩とエンパワーメント。サステイナブル・ボンドは、投資家に、重要な社会問題や環境問題への取り組みに協力できる投資商品を提供する。
今回のサステナ債券の発行はアマゾンが掲げる新しいサステナビリティ・ボンド・フレームワークの一部で、社会にポジティブな影響を与え、脱炭素化と自然界の保護を実現する新技術の発展を支援するために、どのように投資を行っているかを詳しく説明する。アマゾンでは、ビジネスの世界的規模を有効に活用することを目指し、あらゆる規模の企業が事業の脱炭素化を可能にするグリーンテクノロジーや低炭素製品・サービスの開発への投資を促進し続けていくことを強調している。
今回のサステナ債の使いみちは以下のアマゾンのコミットメントに貢献する様々な取り組みに使われるという。
- 2040年までにネット・ゼロ・カーボン。パリ協定よりも10年早く、2040年までにアマゾン全体でネット・ゼロ・カーボンを達成するために、自社の技術と人材を配備する。
- 100,000台の電気配送車。アマゾンはRivian社に10万台の電動配送車を発注した。これは電動配送車の発注としては過去最大のものです。また、マヒンドラ・エレクトリック社とメルセデス・ベンツ社と提携し、電気自動車を発注した。
- 100%再生可能エネルギー。アマゾンは、2030年までに100%再生可能エネルギーで事業を運営することを約束しており、5年前の2025年までにこれを達成する道筋を構築している。
- Shipment Zero:Shipment Zeroにより、アマゾンのすべての出荷をネット・ゼロ・カーボンにし、2030年までにすべての出荷の50%をネット・ゼロ・カーボンで届けること。
- Climate Pledge Fund(クライメイト・プレッジ・ファンド)。低炭素経済への移行を加速・促進する技術やサービスの拡張性と開発を支援するために投資する。
- Right Now Climate Fund(ライト・ナウ・クライメイト・ファンド)。世界中の森林、湿地、草原の炭素貯蔵量を増やしたり、温室効果ガスの排出を回避するための保全、修復、土地管理の改善など、自然に基づく解決策に投資する。
- アフォーダブル・ハウジング。革新的かつ手ごろな住宅購入のためのイニシアチブを支援する。
- アドバンスメントとエンパワーメント。十分に代表されていないグループがテクノロジー分野の労働力となる機会を増やし、技能訓練プログラムを立ち上げ、規模を拡大し、投資する。
日本企業も、事業活動の改善を通じて社会にポジティブな影響を与え、脱炭素化と自然界の保護を実現する新技術の発展などを支援するために透明性のある「サステナ債」の発行を期待したい。
参考リンク
https://www.aboutamazon.com/news/sustainability/amazon-announced-issuance-of-1b-sustainability-bond