6月24日、米国のProxy Previewは、前例のない2021年の米国における株主総会シーズンについて、環境・社会・ガバナンス(ESG)関連の株主決議に対して34件の過半数の投票があったという新しいレポートを発表した。
米国では、これまでに34件のESG株主提案が過半数の支持を獲得し、昨年の21件の記録を更新した。年内にはさらに増える見込みだ。また、昨年は70%の支持を超えた決議は2件のみだったが、今年は17件となった。 また、80%以上の支持を獲得したのが8件、90%以上の支持が6件あった。90%以上の支持を得た6件のうち4件は経営陣の支持を得ており、これは米国のESG関連決議では初めてのこと。さらに重要なことに、高支持率を獲得した他の議案は、経営陣が反対したにもかかわらず、大きな支持を得たという。
Proxy ImpactのCEOでProxy Previewの共著者であるマイケル・パッソフ氏は、以下のように述べた
「今年は、気候変動、ダイバーシティ、政治的支出の問題で記録的な高得票を獲得した特別な年となりました。COVID-19パンデミックやセクシャルハラスメントに関する株主提案も過半数の票を獲得し、人種的正義に関する新たな提案も異例の高い支持を得ました」
Proxy ImpactのCEOマイケル・パッソフ氏
ESG関連の株主提案への過半数の投票が増加していることは、投資家がESG課題は財務的に重要なものと考えていることを示唆している。
NGO団体As You SowのCEOであるアンドリュー・べハール氏は次のようにと述べている。
「今後の課題は、ESG関連の株主提案に対して高得票を受けて企業がどのように方針や慣行の変更を行うか、また、変更を行わない場合に投資家がどのように反応するかです。今年は、気候変動への不作為に株主が耐えられなくなったエクソンモービルで、4人中3人の環境派の取締役が選任されました。すべての取締役会は、このような事態に陥る可能性があることを知らされました」
As You SowのCEOアンドリュー・べハール氏
今年、米国で最も多数の票を集めたESG課題は、政治的ロビー活動、多様性、そして気候変動である。
政治献金とロビー活動
ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の
コンテンツです。
4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細についてはこちらをご覧ください。
「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」へはこちらからお申し込みいただけます。