欧州の研究者グループは、投資家が企業のウェブサイトや出版物、声明などに記載されている環境主張の信憑性を評価・監視するための新しいAIツール「GreenWatch(グリーンウォッチ)」を開発した。
気候変動問題への対応、廃棄物の削減、リサイクル素材の使用量の増加など、環境に配慮していることをアピールする企業が急増している。しかし、どの企業も地球を救うために活動していると主張することになると、グリーンウォッシュへの懸念が高まる。
多くの投資家や規制当局は、環境への影響を誇張したり、偽ったりする企業に警鐘を鳴らしている。そこで、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンの研究者たちは、投資家がグリーンウォッシングを検知し、定量化するためのアルゴリズムを開発することにした。
グリーンウォッシングとは、環境に配慮しているというちょっとした偽りの主張から、全くの虚偽の主張まで、あらゆるものを含む。グリーンウォッシングは、投資家、消費者、政策立案者に、企業が実際に地球温暖化対策に取り組んでいるという誤った安心感を与える可能性がある。分析を担当しているアンドレアス・ホープナー教授は、「企業は次々と話を盛っている」と語る。「誰もチェックしないのであれば、企業は好きなことを言うことができます。また、サステナビリティは非常に幅広い用語であるため、企業が本当の問題から目をそらすようなストーリーを作るのは簡単です」と述べている。
8月9日に発表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、気候科学者たちが、温室効果ガスの排出量を削減するための抜本的な対策を講じなければ、今後20年間で地球の平均気温の上昇が産業革命以前の水準よりも1.5℃を超えてしまうと警告していることから、この問題はますます重要になっている。
グリーンウォッチは、最先端の人工知能と機械学習を用いて、メディアでの発言やウェブサイト、その他の企業コミュニケーションを分析し、グローバル企業700社のサステナビリティに関する主張を調査している。「グリーンステートメント」と「カーボンスコア」という2つの重要な変数に基づいてデータを提供する。
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