ロシアのウクライナ侵攻の影響で、再生可能エネルギー関連企業の株価が急上昇した。
再生可能エネルギーへの投資の重要性が高まった、との認識が広がったのが原因だと思われる。
欧州再生可能エネルギー指数(ERIX)は2月24日に9.3%も上昇。
Orsted(*1)、Siemens Gamesa Renewable Energy(*2)、Vestas Wind Systems A/S(*3)の株価はいずれも10%以上、上昇した。
ロシアガス依存の現状
しかし、欧州経済はエネルギー供給をロシアに大きく依存している。
ロシア産の天然ガスは、ドイツのガス需要の半分程度を賄っている。石炭・原油も輸入の30%以上がロシア産だ。東欧やバルカン半島の国の中には、より依存度の高い国も含まれる。
既に供給がひっ迫しエネルギー輸出の途絶が懸念されており、24日のブレント原油(欧州原油取引の主要指標)は1バレル105ドルを上回り、2014年以来の水準となった。
「欧州の国会議員がロシア産ガスへの依存度を下げるための措置を取る可能性がある。電力産業のガス消費量を削減を目指すなら、再生可能エネルギーは最も早い方法になり得る」という識者の見解もある。
また長期的な観点から見ると、再生可能エネルギーや水素エネルギー貯蔵への投資を増やしロシア産の石油やガスから早期に脱却することには、無視できない効果があるだろう。
米国市場の反応
アメリカの太陽光発電企業の株価も上昇した。
Sunrunは14%高、Sunnova Energy Internationalは15.7%高、Sunlight Financialは9%高と、いずれも上昇。風力・太陽光発電の世界最大手、NextEra Energyは2.3%高だった。
再生可能エネルギー関連株を組み込んだETF(上場投資信託)もあわせて上昇した。
iShares Global Clean Energy ETFが5.2%高、First Trust NASDAQ Clean Edge Green Energy ETFは3.2%高となった。
今後の見通し
従来、市場心理が冷え込むと再生可能エネルギー関連株は売られることが多かった。
ただ今回のロシアのウクライナ侵攻は、
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