ESG投資方針が優れたオランダの資産運用大手ロベコはすべての投資信託から石炭、オイルサンド、北極圏掘削に大きく関与する企業を投資対象から除外することを発表した。
石炭は世界の燃料の中で二酸化炭素排出量が最も多いエネルギー源でだ。また、オイルサンドは原油生産の中でも最も炭素排出量の多い開発手法である。北極圏での掘削は、従来の石油やガスの採取に比べてリスクが高くなっているほか、北極圏の生態系に悪影響を与える可能性もある。投資ポートフォリオから除外される銘柄は石炭やオイルサンド関連事業の売上高が全体の25%以上を占める企業、そして北極圏の掘削関連事業の売上高が全体の10%以上を占める企業となる。
化石燃料関連企業の除外は、2020年第4四半期末までに完了する予定だ。この措置は、気候変動問題の解決に不可欠となる脱炭素経済への移行に向けたサステナブルな取り組みの更なる一歩となるだろう。
ロベコのCIOは新方針について以下のように語る「持続可能な投資の世界的リーダーとして、世界の気温上昇を2℃以下に抑えることを目標としたパリ協定に専念しています。そのためには、今後数十年の間に世界の温室効果ガス排出量を大幅に削減する必要があります。」
国内でロベコの投資商品を独自販売するオリックス銀行に問い合わせたところ、新方針の導入によって年末までに取り扱いファンドの投資先銘柄に影響を与えることはありえると回答した。近い内に、欧州のファンドマネージャーに負けずに日本でもゼロエミッションファンドの設定を期待したい。
参考リンク
ロベコ:Robeco extends exclusion of investments in fossil fuels to all its funds