グローバルリスクレポート2026が描く今後10年のリスク地図
2026年、世界は地政学的対立、景気の不透明感、気候変動、技術革新が同時進行する「競争の時代」に突入している。世界経済フォーラム(WEF)が公表した「Global Risks Report 2026」は、こうした不確実性がESG経営や投資判断にどのような影響を及ぼすのかを、具体的なデータと時間軸で示している。*1 本記事では、同レポートを手がかりに、今後10年間に企業と投資家が直面するESGリスクの全体像を読み解く。 Global Risks Report2026とは? 「Global Risks Rep ...
気候変動および自然資本の劣化は、もはや将来世代の課題ではなく、企業の収益性、事業継続性、市場評価に直接影響する経営リスクである。CDPとOliver Wymanが共同で公表した「Corporate Health Check 2026」は、企業がESGをどこまで実行段階に落とし込めているのかを、世界規模で比較可能な形で示したレポートである。*1 Corporate Health Checkとは何を測っているのか まずCDPとは、企業や自治体の気候変動・水・森林などに関する環境情報開示を促進する国際的な非営利 ...
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変動の激しい2025年において、ESG投資は回復力と進化を示した。グリーン経済への政策支援の一部打ち切りなどで減速のおそれがあった一方で、人工知能(AI)の電力需要拡大が再生可能エネルギーの追い風として浮上した。地政学的な不確実性が残る中、2026年はESG・サステナブル投資にとって今後どのような意味を持つのか?本稿では、複数の機関投資家や投資アナリストの予測に基づき、2026年のESG投資を形作る可能性が高い7つのトレンドをご紹介する。 1. 現実主義と実用主義 地政学的緊張、ESGへの反発、政策進捗の ...
気候変動対策や脱炭素は、かつては企業の社会的責任や長期的理想として語られることが多かった。しかし、「グリーン経済」は、すでに実体経済の中心に組み込まれている。世界のグリーン経済はすでに5兆ドル規模(約790兆円)に達し、2030年までに7兆ドル(約1,106兆円)を超えると予測されている。これは単なる市場拡大ではなく、産業構造そのものの転換を意味する。過去10年間、グリーン経済はテクノロジー分野に次ぐ第2位の成長率を記録しており、景気循環や政治的逆風が存在する中でも、相対的に高い成長と安定性を維持してきた ...
トランプ政権は、1月7日にトランプ大統領が署名した大統領令に基づき、31の国連機関と35の非国連組織を含む66の国際機関から米国を脱退させると表明した。 これらの国際機関の多くは、気候変動、労働、平和、民主主義、移民問題など、トランプ政権が多様性や「ウォーク(過度に意識が高い)」イニシアチブに迎合し「米国の利益に反する」と分類した課題に取り組んでいる。*1 国連事務総長は声明でホワイトハウスの発表を「遺憾」とし、「我々が一貫して強調してきたように、総会で承認された国連通常予算および平和維持予算への分担金拠 ...
2025年は、ESGが逆風と追い風の両方に直面する重要な年となった。米国の反ESGの動きが目立った一方で、エネルギー転換に加えてネーチャーテック分野へ投資が拡大した。トランプ政権の逆行に流されネットゼロに向けた金融アライアンスが次々と縮む中、気候変動による物理的リスクの高まりはさらに深刻化する。不安定な世界情勢が続くことで、中長期的なレジリエンスを確保する取り組みの重要性が高まっている。見逃した方のために、ThinkESG編集部による2025年中に投稿したESG記事10選を時系列で紹介する。 1) ブラッ ...
ネイチャークレジットとは 地球規模で自然環境の劣化が進むなか、自然を保全し再生する取り組みをどのように経済活動と結びつけるかが世界共通の課題となっている。現在、その解決策として注目されているのが「ネイチャークレジット」である。これは、生態系の回復、森林再生、湿地保全といった自然環境の回復に寄与する「ネイチャーポジテイブ」成果を、測定可能で検証可能な単位として発行する仕組みであり、自然に対して経済的価値を与える新たな金融手法である。 今回のThinkESGブログでは、自然分野をリードする専門家であり、生物多 ...
欧州委員会は12月4日、EU排出量取引制度(EU ETS)で生み出された資金を活用し、ネットゼロ技術、クリーン水素、産業脱炭素化プロジェクトに最大52億ユーロ(約9500億円)を投資する計画を発表した。*1*2 新たな資金提供機会は3つの公募で構成され、欧州委員会の「2025年ネットゼロ技術公募」に29億ユーロ(約5300億円)、欧州水素銀行による水素生産向け第3回オークションに13億ユーロ(約2400億円)、産業脱炭素化銀行による産業プロセス熱脱炭素化向け初のオークションに10億ユーロ(約1800億円) ...
国連気候変動会議COP30はブラジルで開催され、18時間超の延長協議の末に合意へ到達したものの、化石燃料削減の新たな約束は盛り込まれなかった。最終文書からは「化石燃料からの移行」の文言が削除され、適応資金や実施面でも対立が表面化し、多くの国が失望を表明した。一方で、脱炭素社会への移行への協力継続や適応分野での前進も示され、議論はCOP30後も続く見通しである。 COP30閉幕に見る化石燃料論争と残された国際的課題 COP30気候サミットが、2025年11月10〜21日にブラジル・パラー州ベレンで開催され、 ...
UNEP、各国の新NDCは温暖化抑制に「ほぼ寄与せず」と警告
世界の温室効果ガス排出量は増加を続け、各国の気候変動計画は依然として必要な削減水準に届いていない。今年ブラジルのベレン市で開催された国連気候変動会合COP 30に先立ち公開された国連環境計画(UNEP)の最新報告書は、各国が提出した新たな気候変動計画が温暖化を抑制する上でほとんど影響を与えていない現状を明確に示した。UNEPは現行政策と国際的な温暖化対策目標との間に存在する深刻な排出ギャップの実態を、改めて世界に突きつけている。*1 「国が決定する貢献」の弱さが浮き彫りに UNEP のインガー・アンダーソ ...
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