先日、菅首相は所信表明演説で2050年までに国として温暖化ガス排出量実質ゼロを目指すことを発表した。日本企業はビジネスモデルの転換を強いられることになるだろう。環境問題の解決を成長戦略として位置づける菅総理は「脱炭素を企業の新たな投資先にしたい」と自民党税制調査会長に協力を求めたことも報じられている。
しかし、脱炭素社会を実現するのは簡単なことではない。はじめに、国の年間温暖化ガス排出量の8割以上を占めるエネルギー消費に関与する産業部門別で確かめる。環境省が公開している2018年度のエネルギー転換部門の発電及び熱発生に伴うCO2排出量を各最終消費部門に配分する排出量のデータを見ると、工場などの産業部門が3.98億トン(全体の34.5%)と最も多く、次いで自動車などの運輸部門が2.1億トン(18.2%)、商業・サービス・事務所などの業務・その他部門が1.98億トン(17%)となっている。
(参照:環境省、2018年)
部門別にCO2排出量の大幅削減が求められる。CO2ゼロへの事業転換に積極的に取り組む企業は「脱炭素投資」の対象となり、今後大きなチャンスに繋がる可能性がある。
こんな中、どのような業界が注目されるのか。シリーズ化して解説をする。
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