年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月20日に「2020年度ESG活動報告」を刊行した。GPIFは同報告書でこの一年でESG指数に基づく運用資産額を5.7兆円から10.6兆円、グリーンボンド等への投資額は0.4兆円から1.1兆円に増加したと発表し、ESG投資額を186%増加させたことになる。
GPIFはどのESG株式指数に投資しているのか?
ESG指数に基づくパッシブ運用の運用資産額は合計で約10.6兆円まで拡大し、GPIFは主に7本のESG株式指数に投資している。
国内株ESG
- FTSE Blossom Japan Index:
・世界でも有数の歴史を持つFTSEのESG指数シリーズ。
・FTSE4Good Japan IndexのESG評価スキームを用いて評価。
ESG評価の絶対的評価が高い銘柄をスクリーニングし、最後に業種ウェイトを中立化したESG総合型指数。
指数構築:選別型
指数組入候補:FTSE Japan ALL CLAP Index(1391銘柄)
指数構成銘柄数:200
運用資産額:14,906(億円)
- MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数:
・世界で1,000社以上が利用するMSCIのESGリサー チに基づいて構築し、様々なESGリスクを包括的に市場ポートフォリオに反映したESG総合型指数。
・業種内でESG評価が相対的に高い銘柄を組み入れ。
指数構築:選別型
指数組入候補:MSCI JAPAN IMI TOP 700(694銘柄)
指数構成銘柄数:231
運用資産額:20,268(億円)
- MSCI日本株女性活躍指数(愛称「WIN」):
・女性活躍推進法により開示される女性雇用に関す るデータに基づき、多面的 に性別多様性スコアを算 出、各業種から同スコアの 高い企業を選別して指数 を構築。
・当該分野で多面的な評価を行った初の指数。
指数構築:選別型
指数組入候補:MSCI JAPAN IMI TOP 700 [694銘柄]
指数構成銘柄数:298
運用資産額:12,362 (億円)
- S&P/JPX カーボン・ エフィシェント 指数:
・環境評価のパイオニア的存在であるTrucostによる炭素排出量データをもとに、S&Pダウ・ジョーンズ・イ ンデックスが指数を構築。
・同業種内で炭素効率性が 高い(温室効果ガス排出量/ 売上高が低い)企業、温室 効果ガス排出に関する情報 開示を行っている企業の投 資ウェイトを高めた指数。
指数構築:ティルト型
指数組入候補:TOPIX [2,187銘柄]
指数構成銘柄数:1,844
運用資産額:15,365 (億円)
外国株ESG
- MSCI ACWI ESGユニバーサル指数:
・MSCIのESG旗艦指数の一つ。ESG格付けとESGトレンドをもとにしたウェイト調整を主眼として指数全 体のESG評価を高めた総 合型指数。
・親指数と同様の投資機会 及びリスクエクスポージャ ーを維持しつつESGインテ グレーションを行うことを 目指す大規模投資家向け に開発された指数。
指数構築:ティルト型
指数組入候補:MSCI ACWI (除く日本・除く中国A株) [2,207銘柄]
指数構成銘柄数:2,106
運用資産額:11,784(億円)
- Morningstar先進国(除く日本) ジェンダー・ダイバーシティ指数 (愛称「GenDi」):
・Equileapジェンダー・スコ アカードによる企業のジェ ンダー間の平等に対する 取組の評価等に基づき投 資ウェイトを決定。
・評価は①リーダーシップ 及び従業員の男女均衡 度、②賃金の平等とワー クライフ・バランス、③ジ ェンダー間の平等を推進 するためのポリシー、④コ ミットメント・透明性・説明 責任という4つのカテゴリ ーで実施。
指数構築:ティルト型
指数組入候補:Morningstar Developed Markets (exJP) Large-Mid [1,937銘柄]
指数構成銘柄数:1,909
運用資産額:3,438(億円)
- S&Pグローバル 大中型株 カーボン エフィシェント指数:
・環境評価のパイオニア的 存在であるTrucostによる 炭素排出量データをもと に、S&Pダウ・ジョーンズ・イ ンデックスが指数を構築。 ・同業種内で炭素効率性が 高い(温室効果ガス排出量/ 売上高が低い)企業、温室 効果ガス排出に関する情報 開示を行っている企業の投 資ウェイトを高めた指数。
指数構築:ティルト型
指数組入候補:S&P Global Large Mid Index (ex JP) [3,003銘柄]
指数構成銘柄数:2,303
運用資産額:28,239(億円)
出典:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
ESGインデックスのパフォーマンスは?
GPIFが選定したESG指数のパフォーマンスは、4年間では市場平均を概ね上回る結果となった。
GPIFが選定したESG7指数の収益率
ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の
コンテンツです。
4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細についてはこちらをご覧ください。
「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」へはこちらからお申し込みいただけます。