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50億ドルの脱炭素ファンド「GenZero」発足

シンガポールの政府系ファンドであるテマセクは、グローバルに脱炭素化を加速するための50億シンガポールドル(約4800億円)の投資会社「GenZero」を立ち上げると発表した。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書では、気候危機が深刻化していることが明らかになっている。
世界の気温上昇を1.5℃以内に抑えるのは困難であると警告している。

地球への不可逆的なダメージを回避するため、あらゆるセクターで脱炭素化を加速し、世界全体の二酸化炭素排出量を削減することが急務だ。

現行政策より踏み込んだ形で、気温上昇を1.5度に抑えるには、世界の年間排出量の約半分以上の19~26ギガトンものCO2を2030年までに削減する必要があると推定されている。

GenZeroは、長期的かつ柔軟な資本配備能力により、脱炭素ソリューションの触媒となることを目指しているという。

長期的かつ柔軟な資本を投入し、長期的かつ持続可能な財務的リターンとともに、地球環境にポジティブなインパクトをもたらすことを目指します。

GenZero

投資対象は、商業化・成長のために忍耐強い資金を必要とするアーリーステージの企業やソリューションから、規模拡大の準備が整った成熟企業まで多岐にわたる。GenZeroは3つの重点分野にわたってグローバルに投資する。

  1. テクノロジーベースドソリューション気候変動に対応した技術により、脱炭素社会の実現に貢献するテクノロジーベースのソリューション。
  2. ネイチャーベースドソリューション自然生態系の保護と回復を支援し、地域社会や生物多様性に恩恵を与えながら温室効果ガス削減に貢献する自然を基盤とした解決策。
  3. カーボン・エコシステム・イネーブラー:効果的、効率的、かつ信頼性の高いカーボンビジネスエコシステムの開発を支援する企業やソリューション。

カーボンエコシステム

これらのフォーカスエリアは、排出量の削減ギャップに対処するための全体的かつ統合的なアプローチであり、短期的および長期的な視野に立った解決策を提供するものであるという。

テマセク・インターナショナルのチーフ・サステナビリティ・オフィサーであるスティーブ・ハワード博士は、次のように述べている。

「GenZeroは、テマセクがより良い世界を実現するために資本を投入することに重点を置いていることを表しています。世界でネット・ゼロを達成するためには、2030年までに年間約5兆ドルの資金を持続可能なエネルギーソリューションの迅速な導入と商業化のために、投入する必要があります。」

テマセク・インターナショナル、チーフ・サステナビリティ・オフィサー スティーブ・ハワード博士

GenZeroの柔軟なアプローチにより、短期および長期のソリューションを促進し、世界的に排出量実質実質ゼロ(ネット・ゼロ)達成に向けた継続的な取り組みをサポートする。

GenZeroは、2030年までにポートフォリオの純排出量を半減させ、2050年までにポートフォリオを純ゼロにするというテマセクの目標だけでなく、より広い金融エコシステムの脱炭素化も支援することを目指している。

当ファンドは、早急な行動の重要性を認識し、2030年までに地球環境にポジティブな影響をもたらし、かつ持続可能なリターンを確保できる投資機会に焦点を当ている。

また、GenZeroは、投資先企業と協働して、事業運営上の課題に取り組むアクティブ戦略を打ち出す。
投資先企業と協働し、事業運営上の課題を解決し、共有するネット・ゼロの目標達成に向けたソリューションの展開を加速させる狙いである。

GenZeroの投資戦略および3つの投資テーマは、そのオーナーであるテマセクによる最近の投資先と関連しており、その概要は以下のとおりである。

テーマ1:テクノロジーベースドソリューション

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