欧州委員会は、今年中にロシアからの天然ガス輸入量を3分の2に削減する計画を発表した。
ブリュッセルからの提言は、欧州のロシアとのエネルギー関係を長期的に断ち切る方法を議論するEU首脳会議の直前に発表された。
同発表は、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、2030年よりかなり前に欧州連合(EU)加盟国をロシアの化石燃料から独立させる計画「REPowerEU」の一環だ。
REPowerEU
REPowerEUは、ガス供給の多様化、再生可能ガスの普及促進、暖房や発電におけるガスの代替の導入を加速させることにより、EUのロシア産ガスへの依存度を大幅に減らすことができると述べている。
「今年末までに、ロシアからの1000億立方メートルのガス輸入を置き換えることができる。これはロシアからの輸入量の3分の2にあたる」と、EU委員会のフラン・ティメルマンス副委員長は3月8日、フランスのストラスブールで記者団に語った。
エネルギーと気候変動に関するEUの政策立案を担当するティメルマンス副委員長は、「これは我々の過度の依存を解消し、我々に必要な余地を与えてくれるだろう」と付け加えた。
EU委員会はその計画の中で、2030年までにロシアのガス、石油、石炭から完全に独立することができると述べている。
今回の発表は、米国がロシアの石油とガスの輸入を禁止すると発表したことに続く。
しかし、EUはロシアの化石燃料に大きく依存していることが現状で、脱却は簡単なものではない。欧州委員会によると、EUで使用されるガスの約90%は輸入されており、ロシアは2021年にその45%を占める。
プレスリリースの中で、EU委員会の委員長は、EU圏は「ロシアの石油、石炭、ガスから独立」する必要があると述べている。
この提案には拘束力はないが、ブリュッセルからの提言は、欧州のロシアとのエネルギー関係を長期的に断ち切る方法を議論するEU首脳会議の直前に出された。
AFP通信によると、会議を終了するための宣言文の草案によると、27カ国の首脳は「ロシアのガス、石油、石炭の輸入への依存を段階的に解消する」ことに合意するという。
IEA「欧州連合のロシア産天然ガスへの依存を減らすための10ポイント計画」
国際エネルギー機関(IEA)の新たな分析で、欧州連合(EU)は、1年以内にロシアの天然ガスの輸入を3分の1以上削減できるという。
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