サステナビリティ・データプロバイダーであるESG Bookは、12月1日、ESG(環境・社会・ガバナンス)の分野で世界をリードする企業を選出し、「ESG企業ランキングトップ100」を発表した。
近年、ESG投資が急速に拡大している中、企業の非財務情報がより入手しやすくなってきた一方で、投資家は、より持続可能な企業に向けて効率的に資金を配分するために、より明確なESG情報を必要としている。
ESG Bookの無料データプラットフォームは、約1万銘柄の情報開示へのアクセスを提供し、すべての市場関係者がサステナビリティデータをより広く入手・比較できるようにし、市場の透明性を促進している。
ESG Bookは、毎月オンラインで更新される「ESG企業トップ100」ランキングを構成するために、時価総額100億米ドル以上の世界大手企業に焦点を当てて調査した。ランクインした企業は、財務的に重要なESG基準に関する企業業績に基づいて評価され、長期的にアウトパフォームするためのより良い位置にあるサステナブルな企業としてリストアップされている。
ESG企業ランキングの3つの要素
企業の総合ランキングには、3つの要素が組み込まれている。
- ESGスコア:環境、社会、ガバナンスのサブスコアで構成される総合的なESGスコアで評価。
- 温度スコア:温度スコアは、企業の気候変動への影響と、気候変動対策への野心度を反映。短期(2030年)および長期(2050年)のパスウェイに基づく、企業の温室効果ガス(GHG)削減計画を評価。
- GHG 排出量:企業のGHG排出量の実績(企業報告および推定の数値を採用)。
ESG企業ランキング上位10社
オランダの半導体サプライヤーであるASMLは、ESGスコアが73.13で「ESG企業Top 100社」の1位に輝いた。2位は米国とイスラエルのサイバーセキュリティ企業であるチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(ESGスコア72.64)、3位はフランスの高級品メーカーであるエルメス(ESGスコア71.71)となっている。
順位 | 企業 | 地域 | 国 | 部門 | ESGスコア | 温度スコア | 排出量tCO2e (Scope1 & 2) | 排出量tCO2e (Scope3) | 時価総額区分 |
1 | ASML Holdings N.V. | 欧州 | オランダ | 半導体 | 73.13 | 1.5 | 155,200 | 8,400,000 | 大大 |
2 | Check Point Software Technologies | 中東 | イスラエル | IT | 72.64 | 3 | 15,323* | 21.531* | 大 |
3 | Hermes International SCA | 欧州 | フランス | アパレル・衣料品店 | 71.71 | 1.5 | 34,600 | 486,400 | 大 |
4 | Linde | 欧州 | 英国 | 化学 | 71.26 | >2.7 | 37,734,000 | 21,261,000 | 大 |
5 | Kone Oyj | 欧州 | フィンランド | 建材 | 70.37 | 1.5 | 135,100 | 14,105,500 | 大 |
6 | Shionogi & Co(塩野義製薬株式会社) | アジア | 日本 | 医薬品 | 70.04 | 1.5 | 81,730 | 118,790 | 大 |
7 | Applied Materials, Inc. | 北米 | 米国 | 製造機器 | 69.77 | 3 | 303,311* | 8,400 | 大 |
8 | Beiersdorf AG | 欧州 | ドイツ | 小売・化粧品 | 69.70 | 1.5 | 102,027 | 1,041,703 | 大 |
9 | Colgate-Palmolive Company | 北米 | 米国 | 小売・化粧品 | 69.32 | 1.5 | 577,679 | 41,966,000 | 大 |
10 | L'Oreal S.A. | 欧州 | フランス | 化粧品 | 69.30 | 1.5 | 55,778 | 11,169,000 | 大大 |
TOP 10にランクインした唯一の日本業は医薬品メーカーの塩野義製薬株式会社(ランク6位、ESGスコア70.04)。SHIONOGIグループの中期経営計画によると、同社は「従来の医療用医薬品のみを提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「ヘルスケアプロバイダー」へと自らを変革し、社会に対して新たな価値を提供し続けていく」ビジョンを元に、SHIONOGIグループは特に重視する重要課題(マテリアリティ)として『感染症の脅威からの解放』を掲げ、感染症を研究開発における重点疾患領域に注力している。さらに、社会の要請に対応すべく気候変動への取り組みを着実に進捗させている姿勢と中長期的なGHG排出量削減目標についてSBTの承認を取得している姿勢も評価されているだろう。
ESG企業top50にランクインした日本企業
日本企業でtop50にランクインしたのは以下6社である。
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