米資産運用大手ブラックロックは、オーストラリアの系統用蓄電池プロジェクトに少なくとも10億米ドル(約1370億円)を投資すると発表した。
ブラックロックはオーストラリアのメルボルン市に本社を置くアケイシャ・エネルギー(英:Akaysha Energy)と、同国の主要送電網にある少なくとも9つの電力系統用の大型蓄電池プロジェクトのポートフォリオの買収に合意した。
今回の出資案件はブラックロックの気候変動インフラ事業部隊がアジア太平洋地域で行った初の蓄電池投資であり、世界でも最大規模の投資となる。資金力のあるブラックロックが参入することで、成長著しいオーストラリアの大型蓄電池市場の更なる拡大が見込まれる。
アケイシャのポートフォリオの中で最も進んだプロジェクトは、クイーンズランド州ウェスタン・ダウンズ地域のコーガン・クリーク石炭火力発電所の隣にある150MW、300MWhのUlinda Parkバッテリーで、クイーンズランド州の別のバッテリー2基とともにRenewable Energy Partnersと共同開発中である。
この大型蓄電池は最大8時間の蓄電が可能で、州政府が推進するセントラル・ウェスト・オラナ再生可能エネルギー地帯の一翼を担う予定である。
また、タスマニア州ローンセストン近郊のパーマストン変電所には、先進的なインバーターを使用し、「仮想同期機」として機能する大型蓄電池を設置する予定であり、同州で初の大型蓄電池となるプロジェクトだ。
ブラックロックの投資先ポートフォリオに含まれる他のプロジェクトは、非公開のままである。
ブラックロックによると、2030年までに再生可能エネルギーを82%にするというオーストラリア連邦政府の目標を達成し、石炭火力発電所の廃止によるギャップを埋めるためには、何ギガワットもの蓄電池が必要になるという。
現在、オーストラリアの主要送電網で稼働中の大規模蓄電池はわずか10基であり、建設中または建設間近のものが10数基にとどまるが、計画中または建設予定のプロジェクトのパイプラインはすでに数十ギガワット規模になっており、急速に増加している。
ブラックロックのアジア太平洋地域気候変動インフラ事業の共同責任者であるチャーリー・リード氏は、アジア市場で
ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の
コンテンツです。
4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細についてはこちらをご覧ください。
「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」へはこちらからお申し込みいただけます。