米ジョージア州で行われた2つの上院選で民主党が勝利した。2名の民主党候補当選により、バイデン次期大統領による環境政策が可決しやすくなると考えられる。
バイデン氏の公約には、クリーンエネルギー転換を促進する2兆ドルの経済計画が含まれている。また、2035年までに電力部門からの脱炭素化、2050年までに国全体の温室効果ガス排出量ゼロを目指す。これまで政策を可決する上で、上院の共和党の存在がネックになっていた。
新たに大胆な気候変動関連法を可決するには上院で過半数以上の議席が必要になる。公約すべての実行には課題が残る一方、既存法を最大限活かす環境規制強化や予算配分により、多岐にわたる分野での脱炭素対策加速が期待される。さらに、気候変動対策に熱心な人事を官僚トップに起用するほか、大統領令の措置も幅広く進めるだろう。
パリ協定への復帰、脱炭素社会実現に向けた施策実行の土壌整備は歓迎するべきだろう。トランプ政権下で深刻化した社会的分断の克服が直近の課題となるが、今後のアメリカにおけるトップダウンでの課題解決の動きに注目したい。
参考リンク:
CNBC:Democratic control of Senate is victory for Biden climate change agenda
the Washington Post:Ossoff and Warnock victories could help Joe Biden pass climate plan