アジア太平洋気候リーダーズ2023 、日系4社トップ10入り
英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、「アジア太平洋気候リーダーズ2023」の企業リストを5月25日に公表した。同ランキングは、過去5年間に自社の温室効果ガス排出量削減を最も進めたアジア太平洋企業上位275社をリストアップしたものだ。日本企業4社は上位10社にランクインした。野村総合研究所(3位、75.1点)、中外製薬(6位、73.8点)、NTTデータ(8位、73.4点)、丸井グループ(10位、73.2点)それぞれの取り組みが高く評価され、国別の成績では日本企業が2年連続トップで130社が掲載された。 ...
トヨタ自動車にも株主が気候変動関連決議案を提出
日本の柱である自動車産業の今後は? トヨタ自動車に対して、欧州の資産運用会社3社が、6月開催予定の定時株主総会を前に、気候変動に関するロビー活動に係る決議案を提出した。トヨタ自動車の株を合計で約4億ドル分(約551億円)保有する3つの運用会社によるこの動きは、新社長の佐藤幸治氏が、同社の環境ロビー活動について、投資家や環境アクティビストたちから圧力を受けていることを浮き彫りにした。 ※日本の大手電力会社の決議案についての記事はこちらから。 株主決議案 5月10日、気候変動に関するロビー活動のさらなる開示を ...
G7が取り組むべき3つの気候変動対策
本日、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7カ国(G7)の首脳と欧州連合(EU)の欧州委員会委員長が広島に集まり、第49回目の首脳会議を開催する予定だ。当然ながら、経済安全保障と共に、気候変動への対策が重要な議題となっており、G7のリーダーシップが期待されている。気候変動による影響が増大し、低炭素エネルギーへの移行が岐路に立たされている中、G7は、取るべき行動を迅速かつ決定的にし、国際連携を強めることができるかが会議の成果指標の一つだ。ウクライナ侵攻に伴い、法に基づいた国際秩序が崩れない ...
日本の電力会社に投資家が「NO」!株主総会の決議案はいかに
2023年5月9日、電源開発株式会社(Jパワー)に対して気候変動リスク管理に関する株主決議案が提出され、同社の次期社長の選任議案への反対票を投じることが判明した。Jパワーは全国95カ所で発電所を保有する日本の大手発電会社で、発電した電力を電力会社などに販売(卸売り)している。発電設備出力はおよそ1,810万kWにのぼるが、その約半分は火力発電である。*1 Jパワーと脱炭素戦略についてエンゲージメント(建設的な目的をもった対話)してきた大手機関投資家3社である欧州最大の資産運用会社であるアムンディ、HSBC ...
投資家グループ、グリーンウオッシュガイドを公開
アジア太平洋地域では、複数の規制当局が金融業界でのグリーンウォッシュを深刻な問題として指摘し、その監視が加速している。 そんな中、英国に本部を置く環境法慈善団体ClientEarthと、アジアの機関投資家の気候変動への取り組みを促進することを目的とした業界団体である気候変動に関するアジア投資家グループ(AIGCC)は、グリーンウオッシュに取り組むためのガイドを発表した。 金融業界でのグリーンウオッシュ問題 金融業界では、グリーンウォッシュとは一般に、金融商品、投資戦略、または企業が環境または気候変動対応に ...
2023年クライメート・テックのスタートアップ企業12選
2023年4月、温室効果ガスネット・ゼロの目標達成に向け、技術やイノベーションの課題が残る分野や領域で躍進している画期的な12社の企業がブルームバーグNEF (BNEF)によって表彰された。今年の受賞企業には、新しいタイプの持続可能なタンパク質の開発、銅の新しい採掘ルートの発見、製鉄によるCO2排出の排除、グリーン水素をより安価に製造する技術の開発など、多くの企業が含まれる。ここでは2023年に賞を受賞した12社を紹介する。*1 スタートアップ企業12選が描く未来 今日は実現不可能と思われることでも、明日 ...
EV車の販売台数、今年35%急増する見込み
電気自動車(EV)の世界販売台数は、今年も過去最高を更新し、自動車市場全体に占める割合が5分の1近くまで拡大し、石油を中心とするエネルギー分野にも影響を与える自動車産業の大きな変革を導くことになる。 2023年中に35%増 IEAが毎年発表している「グローバルEVアウトルック」の新版によると、2022年には世界で1000万台以上の電気自動車が販売され、今年はさらに35%増の1400万台に達すると予想されている。この爆発的な成長は、自動車市場全体に占めるEVのシェアが、2020年の約4%から2022年には1 ...
【アースデイ特集】気候変動を阻止するめに今日からできる3つのこと
私たちが今後7年間で温室効果ガスの排出量をほぼ半減できなければ、地球温暖化は1.5度を越え、気候変動による最悪の影響に苦しむことになる。これは気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最新の報告書(AR6)で発表されており、温室効果ガス排出量が増加し続ける現状を見ると達成は一見不可能のように思える。 しかしIPCCは、脱炭素社会を実現するために効果的かつ低費用で実現可能な選択肢はすでに私たちのまわりに溢れていると指摘した。最悪の事態を回避するために、2030年までに最も効果的な対策を示す図表が私たちが ...
地熱発電技術のスタートアップ企業が注目を集める
地熱エネルギーは、化石燃料への依存度を下げるために重要な役割を果たす可能性のある、クリーンで再生可能なエネルギー源である。地熱発電所は、地中深くから取り出した蒸気を利用して電気を作る仕組み。しかし、地熱発電は、従来、拡張性の高いエネルギーとは言い難い壁に直面していた。 カナダの地熱技術開発スタートアップ企業エバー・テクノロジーズ社(英:Eavor Technologies)が開発した新しいクローズドループシステムは、地熱発電の参入障壁を下げ、様々な環境下でこの技術を真に拡大することを可能にし、再生可能エネ ...
2023年最新IPCC報告書における10の発見
各国の科学者や政府の代表を始め、国際機関等から650名以上が出席する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第58回総会が、2023年3月中旬にスイスのインターラーケンで開催された。IPCCが今回発表した気候変動の物理科学に関する第6次統合報告書(AR6)から明かされた10の発見について説明する。*1 1) 人類が引き起こした1.1℃の地球温暖化は、近年の歴史上稀にみる異常な気候の変化をさらに加速させている すでに、地球の気温は産業革命以来1.1℃上昇し、世界のあらゆる地域で海面上昇、異常気象の増加、海氷 ...