ブルームバーグの取材によると、ホワイトハウスは、米国の温室効果ガス排出量を10年後までに50%以上削減するという公約を検討しているという。この目標は、オバマ政権下の削減目標の約2倍に相当し、電力、運輸、その他のセクターに劇的な変化をもたらすものだ。
この削減目標はまだ策定中であり、変更される可能性もあるが、ホワイトハウスは、地球の平均気温が産業革命以前の水準から1.5度以上上昇するのを防ぐために、世界的な行動を促す一環として掲げる姿勢を強める。バイデン政権は、4月22日に開催される「気候リーダーズサミット」の前に、この目標を発表する予定である。
米国の公約として検討されている新たな削減目標は、2030年までに2005年比で48%から53%削減するという範囲が含まれていると、審議に詳しい関係者らが語っているという。
ホワイトハウスは具体的な数値についてのコメントを控えているが、政府はこの目標に対して「政府全体」で取り組む計画であり、各省庁は基準設定、クリーンエネルギーへの投資、回復力のあるインフラ計画など、連邦政府全体での脱炭素化の実現に向けた機会を検討しているという。
米国の新たな温室効果ガス削減目標の発表は、菅首相を含む世界の主要な国の首脳が集まる気候サミットで最大の注目点になるだろう。
また、米国の温室効果ガス排出量を半減させるためには、電力、自動車、化石燃料、農業や建設物による温室効果ガス排出量の大幅削減が必要となる。新しい目標を達成するのには、2030年までにクリーン電力を80%に倍増させる必要があるという予測もあり、同時に自動車をはじめとする経済活動の大部分を電気でまかなう電動化に向けた積極的な取り組みと強力な省エ対策が急務となる。
日本は米国の方針転換にどのように対応し、足並みを揃えることができるかどうかが、4月16日に予定されている日米首脳会談の場で重要な論点になるだろう。
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