米シンクタンクRMIは、電気自動車(EV)の急成長により世界の自動車用石油需要はすでにピークに達し、2030年以降は暴落することで内燃エンジン時代の終焉が始まった、と予測する最新レポートを発表した。
RMIがベゾス地球基金とのパートナーシップのもと公開している「X-change シリーズ(*1)」の第二弾である「X-change:自動車」というレポートだ。RMIはクリーンエネルギーへの転換促進に向けて分野を超えた専門家が協働する非営利組織で、このX-changeシリーズでは、再生可能エネルギー技術の飛躍的な成長により、世界のエネルギーシステムの主要分野がどのようにして多くの人の認識よりも速いスピードで変化を遂げることが出来ているのか、なぜそれが可能なのかを徹底的に分析している。
国際エネルギー機関(IEA)の事務局長も、9月12日、石油、ガス、石炭の世界需要は、よりクリーンなエネルギー技術や電気自動車の「目覚ましい」成長により、この10年でピークに達すると語った。(*2)
「世界中で、特に中国で電気自動車が伸びていることから、石油需要は2030年以前にピークを迎えることになる。」
ファティ・ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長
RMIによるとEVの販売台数はS字カーブを描き、指数関数的な成長パターンを描いている。北欧と中国が主導した結果、EVが新車販売台数の1%から10%になるのには約6年かかった。しかし次の段階はさらに早く、主要国では6年で80%に達すると予測されている。
パリティ価格、10年以内に達成
「X-change:自動車」レポートでは、EVの普及によってバッテリー価格の低下が今後さらに進み、10年以内にはすべての主要自動車市場で既存の内燃機関車とEVの価格差が縮まり同等になる「価格パリティー(parity)」が達成されると予測されている。そうなれば、グローバル・サウスをはじめとした開発途上国、そして他の交通セクターにもEVが広がることが期待できる。
2030年までには、世界の自動車販売台数の大半以上をEVが占めるようになるとRMIは予測している。IEAのネットゼロシナリオの想定を上回り、2030年には
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