4月22日に開催されたバイデン大統領主催の気候変動リーダーズサミットの前夜に、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は、世界の主要な銀行43行を集め「ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス」(NZBA)を新たに設立した。
UNEP FIが主催し、プリンス・オブ・ウェールズの持続可能な市場イニシアチブ(SMI)の金融サービス・タスクフォースと共同で立ち上げた業界主導のNZBAは、資産運用会社やアセットオーナーによる脱炭素化への取り組みに続き、温室効果ガス排出量実質ゼロ(ネットゼロ)の実現を目指す最も新しい金融アライアンスである。NZBAは、世界の大手銀行43行で構成され、協調性、厳格性、透明性をもって、銀行セクターの投融資ポートフィリオを2050年までにネットゼロ達成に一致させることを目的としている。さらに、加盟銀行は科学的根拠に基づく強固なガイドラインを用いて、2030年またはそれ以前までの中間目標を設定することにコミットする。
NZBAは実体経済のネット・ゼロ・エミッションへの世界的な移行を支援する上で銀行が果たす重要な役割を認識し、加盟する43行に米大手シティー、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、英大手バークレイズやHSBC、そしてスイスのUBSも含まれる。アジア系銀行は韓国2社のKB国民銀行、シンハン銀行、そしてバングラデシュのIDLCのみが参加している。現時点では、邦銀は同イニシアチブに参加していない。
NZBAは、国連が設立した先駆的な「ネット・ゼロ・アセットオーナーアライアンス」とともに、マーク・カーニー(元イングランド銀行総裁、COP26の英国首相財務アドバイザー、国連気候行動・金融特使)が主導する金融業界全体の脱炭素化を目指す戦略フォーラム「The Glasgow Financial Alliance for Net Zero (GFANZ) 」の創設メンバーとなる。また、国連レース・トゥ・ゼロ(Race to Zero)キャンペーンの専門家によるピア・レビュー・グループによって認定されている。
NZBAに加盟したすべての銀行は、以下のアクションにコミットする:
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