スイスの調査会社 Hirschel and Kramer (H&K)は、Responsible Investment Brand Index™ 2020(以下RIBI)を発表した。
RIBIは、欧州の資産運用会社284社を対象に、各資産運用会社の責任投資やサステナビリティへのコミットメントを分析した調査結果だ。これは、資産運用会社が、投資先企業に対するエンゲージメントの強度や運用会社のパーパス/企業理念にESG要素を取り入れているかなどを評価基準としている。
2020年RIBI™の総合成績ベスト10を達成した企業
- AXA Investment Managers(フランス)
- Federated Hermes (International Business) (イギリス)
- Candriam(ベルギー)
- DPAM(ベルギー)
- Sycomore Asset Management (フランス)
- Etica SGR (イタリア)
- Mirova (フランス)
- BNP Paribas Asset Management France (フランス)
- La Banque Postale Asset Management (フランス)
- MFS Investment Management (アメリカ)
昨年と比べ、中核的な目標を社会的目標に結びつけている資産運用会社の数は約2倍に増加した。しかし、ブランドを通じて責任投資へのコミットメントを純粋に伝えている運用会社はほんの一握りにすぎない。
フランスの AXA Investment Managersや、イギリスのFederated Hermes は、3年連続トップ10入りを果たした。
AXAInvestment Managersは、フランスのランキングと世界のランキングの両方でもトップに立っている。これは、責任投資やサステナビリティへのコミットメントの度合いとブランド・アイデンティティに込められた持続可能性の度合いが両方とも高いことが、起因している。
(Responsible Investment Brand Index™ 2020)
Federated Hermesは、英国のトップ10の中で唯一、RIBIによる分析の両側面において非常に強い評価を受けているため、第2位としてグローバル・トップ10に入っている。
(Responsible Investment Brand Index™ 2020)
この結果を受け、RIBIの共同創設者であるMarkus Kramerは、
「「ブランド」が、ますます複雑化・加速し、相互に接続された世界で運用会社が果たす重要な役割についての理解は、まだほとんどの企業には浸透していない。個々の資産運用会社のレベルでは、まだ多くのことを行う必要があります」
と述べている。
資産運用業界がダイナミックな変化を遂げ、業界全体の将来を根本的に変えようとしていることに疑いの余地はない。
Responsible Investment Brand Indexは、
「一部の分野では進歩が見られるものの、資産運用業界はまだ旅の途中であり、今後のチャンスを活かすためには大幅なスピードアップが求められている。」
とコメントしている。
(Responsible Investment Brand Index™ 2020)
日本の運用会社も欧州のサステナビリティリーダーから学び、既存の顧客との信頼関係を活かし、長期的に相互に利益をもたらす金融業界と社会的責任を結びつけるESG投資を通じて、新規顧客の獲得やブランド力向上を達成することを期待する。[no_toc]