第1回のビジネス・オブ・ファッション(BoF)サステナビリティ・インデックスは、世界の気候変動問題や持続可能な開発目標(SDGs)の解決に合わせてファッションビジネスを行うために、今後10年間で達成しなければならない野心的な環境・社会目標に対して、ファッション業界の大企業のパフォーマンスをベンチマークした。
このインデックスは、ラグジュアリー、ハイストリート、スポーツウェアのカテゴリーに属するファッション業界の最大手企業15社のパフォーマンスを厳密にベンチマークするために公開情報を調査し、世界的に著名な専門家で構成されるサステナビリティ・カウンシルとの協議のもと、「The Business of Fashion」が設定した6つのテーマ(透明性、温室効果ガス排出量、水と化学物質、材料、労働者の権利、廃棄物)にわたる338の指標を用いて各企業を検証している。ラグジュアリー部門では、ケリングが49/100の総合スコアで1位となり、ハイストリート部門では、H&MとLevi Strauss &Coが42/100のスコアで同点1位となりました。スポーツウェア部門では、ナイキ(Nike)が47/100のスコアで首位となり、僅差でプーマ(Puma)が44/100で続いた。日本のファーストリテイリング(ユニクロを展開)は23/100で、調査対象となった大手ファッション企業15社の中で3番目に低いスコアとなった。
ファッション企業がサステナビリティについて語る機会は以前より増えているが、BoFの包括的な分析によると、業界最大規模でリソースが豊富な企業であっても、行動が公的なコミットメントに遅れをとっていることが明らかになった。
評価対象となった企業の総合スコアの平均は、100点満点中36点にとどまり、取り組みと行動の間に大きな格差が見られた。全体的に、進捗状況は目標設定に偏っており、データは自己申告が多く、検証されていないことから、説明責任の問題が指摘されている。企業間の同種比較は、情報開示の程度の差によって歪められているという。不透明な作業方法や、何をもって「良好な」進捗とするかの定義があいまいであることが、問題をさらに複雑にしている。そのため、業界の現状や、問題解決のために必要なステップが見えにくくなっているとBoFが指摘する。
ファッション業界は、その世界的な規模と文化的な影響力から、壊滅的な気候変動を解決するために重要な役割を担っており、同時に労働者の福祉を向上させる緊急の義務を負っていると言えるだろう。
ファッションブランドは、より責任ある活動を行うための取り組みを強化しているが、比較可能で標準的な方法で進捗状況を測定することは、非常に困難な作業だ。
今回のインデックス分析の詳細な結果は下記の通りまとめた。
ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の
コンテンツです。
4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細についてはこちらをご覧ください。
「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」へはこちらからお申し込みいただけます。